人間建築への考察

ひとりひとりの人間を建築物のように捉えると、社会力学がクリアになるような気がします。※ただし、以下は私の(非現実的な要素を含む)妄想日記です。

 

人間建築の構造は、B1階は身体(無意識)、1階は本能、2階は意識、3階は理性と例えることができます。

 

文明化以前の世界では、身体を慈しみ、本能からのサインを意識が受け取って、意思決定をするという、いわゆる「一枚岩」の組織体でいることが許されていました。これは動物と同じと言えます。

 

動物は、危険から逃げつつ、とにかくDNAで設計されたエンジンの噴射方向に従って前進し、貧困や、縄張り争いや、生殖問題と果敢に闘うという生き様です。ここには、痛みや苦しみがあっても、精神的ストレスというものは小さいでしょう。

 

しかし一部の人間は、幸運から経済的な余裕を得るに伴って、その余暇を利用して「考える」ことを始め、余剰エネルギーを脳の機能増大へ投資することが可能になりました。

 

農耕等の文明が萌芽し、3階理性が建築されることになったことで、人間はかつてない困難にぶつかることになります。

 

人間は文明の果実を得ると同時に、自己の中に「本能」と「理性」という相性の悪い組み合わせ・・・いわゆる「矛盾」を抱えることで、ストレスフルな生き方を余儀なくされます。

 

身体や、本能が「こうして欲しい」という電報を意識に伝えたとしても、意識が理性に問い合わせたところ、「却下」されるという事態がしばしば発生することになります。

 

意識は、「理性が行った判断の正当性」を理解しているだけに妥当だな、と思っていますが、それを本能に伝えると強い不快感を返してきます。まさに意識とは板挟み状態の中間管理職のような立場になっていると表現できます。

 

そのようなストレスフルな状態には耐えられない・・・そう思った人間は、再度、理性を含めたB1~3階を、一枚岩にする試みを実行しました。

 

そのひとつは、「本能優先主義を取り、理性をそれに従順な便利屋にする」ことと、「下位の理性からのフィードバックを受け取った意識が、本能を制御する」というものです。

 

これにより、理性は本能と対立せず(無矛盾)、意識は本能の制御という一方向に集中することができ(負荷軽減)、本能はもっとも優遇される(満足)、というストレス軽減を実現することが可能になります。そしてこれはB1階身体への負荷も少なくなるというまさに最適解と言えるでしょう。

 

これで人間内部の問題はひとまず解決を見ることになりましたが、しかし、問題は内部からのものだけでなく、外部からも発生するという問題点があります。

 

外部要因からのストレスに対しては、本能のもつ「共感力」や理性のもつ「要領の良さ」で、なんとかしのげる者もいれば、その力が弱い者は心身消耗し、鬱状態になってしまうことが少なからず発生しました。

 

ストレス軽減を主眼に戦略をとっていたので、もうストレス軽減のために切れる「カード」が無いという状況です。

 

この状況を打開する手段は、本能は教えてくれず、ただ耐えるのみ・・・弱い者から倒れていく、という殴られ放題ゲームに入っているのが現代だと言えると思います。

 

ここまでの人間建築の構造を踏まえた上で、どのような救いがあり得るかと考えました。

 

まず必須なのは「本能の活性化」だと思った(元気がないと何も始まらないし)んですが、しかし、活性化すると制御する意識への負荷が増えてしまい、社会の中で衝突が頻繁に起こる危険性があります。

 

今の建築構造では、賢い者がより強く搾取を成功させる、というエンドしかないように思えます。

 

よって、「本能を強めない」方向・・・人間欲求の弱体化を許容する形に沿うのが良いと思います。植物的な人間像へ向かって行くイメージです。本能自体が弱まれば、ストレス源の減少につながり、結果ストレス減が実現するでしょう。

 

エネルギーが小さい人間は、相対的に昔よりパフォーマンスは落ちます。それをAIとか、オートメーションとか、で補完していく流れは、今すでにありますね。この流れに逆らわない、という路線でいってみましょう。

 

高度な技術によって、生活が安定した者は、次に理性を育てましょう。この段階で、すでに世界人口の減少は破壊的なスピードで進んでいる可能性がありますが、それを悲観しつつ前に進める者は進む、ということです。

 

理性を育てることができたら、人類種の生き残りのために全投資しましょう。もはやみんなハッピーは遠い夢になっているでしょうから、とにかく自分が生き残る、ある程度のコミュニティを維持し続けて生き残る、何が何でも生き残る、という志向です。

 

ここまで書いて、全然救いになってないな、と反省しましたが、本当に自分を救いたいのなら、力が必要です。

 

それは権力であるかもしれないし、商売力であるかもしれないし、叡智力でもあるかもしれません、プーチンのように暴力に頼む人もいるでしょう。あるいは、気配を消して水面をフラフラと漂ってたら偶然生き残っちゃった、みたいな運力のある人もいるかもしれません。

 

力の弱い人は、力のある人に助けてもらいましょう。しかし、あなたを助けられるのは、自分を助けてまだ余力のある人だけです。そんな人なかなかいないので、自分が強くなるのが一番手っ取り早くて確実な道です。

 

大した結論がでなかったなぁ。