ジェフリー・ブレイニー著「戦争の原因」noteレビューの感想文

noteを見てみたら面白い記事がありました。それは、オーストラリアの歴史学者ジェフリー・ブレイニーさんの著書「戦争の原因」(1988)のレビュー記事です。

 

私は中国とアメリカに絶対戦争してほしくないので、ふむふむ、読んでみようと思いました。

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<要約>

・19世紀前半頃のヨーロッパにおける「進歩主義」的な考えでは、発達した世界貿易関係が戦争に取って代り、先進的な国は「新しい精神」を以て、野蛮な戦争に訴えることは無くなる、という風潮があったが、これをブレイニーは反証を試みている。

第一次世界大戦勃発・終結後も、進歩主義は居残り続け、多くの知識人は各国の軍拡競争こそが戦争の根本原因だと主張していたが、これもブレイニーは批判している。進歩主義は平穏な19世紀という限定された期間においてのみ適用されうる楽観的な風潮であり、客観的な正確性は認められないと主張する。

・ブレイニーは戦争原因を「勢力均衡」という概念に求める議論を肯定的に評価していたが、勢力均衡が平和の維持に役立つと言えるような実証的な根拠は乏しいと批判も加えている。

・歴史上の「戦争後の平和期」に着目すると、その時期は勢力不均衡が見られる場合が多く、ブレイニーは、「一方が他方を圧倒できる軍事的優越」が曖昧になることが戦争の大きな原因だと述べている。

・ブレイニーは、「外交の断絶」と「戦争」は因果関係にないとしているが、外交の在り様について以下の洞察をしている。「外交は、洗練されていない商取引のようなもので、政治の世界で取引される通貨は簡単に比較軽量できるものではなく、又、取引される財は分割不可能である」と。

・ブレイニーは、効率の面で欠陥を抱える「外交交渉」に依存する「勢力均衡」の概念は、平和に危険を及ぼす恐れがあると批判している。圧倒的な軍事力の優越こそが、外交交渉の成功の助けとなり、平和を維持する礎となる、と述べている。

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なるほど~けっこう良質な情報をゲットできました。

 

勢力均衡がやばい、というのは確かにその通りだなぁと思います。あと外交が洗練されていない、と。私は外交で何やってんのか知らないのですが、まぁ「そんな簡単にホイホイ戦争回避できないわな」くらいの感覚を持っています。

 

ブレイニーさんの、「進歩主義のディスり方」が良いですね。「それ期間限定の平和ルールだよ、錯覚すんな」みたいな言い方。この人は合理的な考えを持っているようですね。

 

結論としては「『勢力均衡』がダメだから『圧倒的な軍事力の優越』が正しい!」ということらしいですが、私もここでホイホイ乗っかるほどぬるいことはしないで、よく考えてみました。

 

考えてみたけど・・・まぁ、「圧倒的な軍事力の優越」の方が、比較的マシって感じですね。勢力均衡は危ない、というのはその通りでしょうね。

 

私は個人的には、「勢力均衡の危ない環境で、各国政府・外交官が死線を潜り抜け、ギリギリで平和を維持し続ける」というのが正解だと思います。「圧倒的な軍事力の優越」がないと平和にできません!というのが弱すぎるんですよね。

 

そういう制限事項があるなら、破壊サイドの人は「じゃあそれ崩して、勢力均衡にもっていけばほぼ勝ちだな」という判断をして、軍拡競争を煽っていく形で楽勝でしょう。破壊サイドに楽勝させちゃだめですよ。

 

そうじゃなくて、やっぱりがっぷり四つに組んで、横綱相撲を取れるようにならないと、横綱にはなれません。言い忘れましたが相撲で例えてます。

 

あと平和に寄与する手段としては、「戦争に代わる、めっちゃ面白いゲームを投入する」とか、ですね。

 

平和は退屈だし、苦しんでる人は苦しいんですよ。だから、そういう退屈さ、苦しみを吹き飛ばすくらい熱中できる、みんなのゲームを開発することが重要かと思います。

 

脳にプラグ刺して仮想現実見せる攻殻機動隊的なやつとか・・・その辺でしょうか。