ちょっと数学っぽいことをやろうと思います。人間の行動パターンを文字式で表現することを試みました。
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意識=f(x)
環境の変化=f(y)
観測している要因による変化=f(y₁)
観測されていない要因による変化=f(y₂)
aは定数
感受値P={f(y₁)+f(y₂)}/f(x)+a
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感受値Pは、感情とか、理性で感じる「幸福感」「不幸感」を1本の物差しで数値化したものを意味しています。
人間は、皆この感受値Pをプラスにしよう、又は、大きくプラスにしよう、と頑張ります。私も誰でもそうですね。式の通り、Pをプラスにするためには色んな方向性があります。
変化にはプラスの変化とマイナスの変化があり、それも観測している要因による変化と観測していない要因による変化があります。
f(y)=f(y₁)+f(y₂) であるように、
一定の変化=f(y)においては、f(y₁)が増えればf(y₂)は減るという性質もあります。
観測している要因による変化がプラスだけど、観測していない要因による変化がマイナス、というケースもあり得ます。例えば、金融商品の価値がどんどん上がり、今は高い投資利益が出てウハウハだけど、金融市場全体からみたら実態はバブルで、破滅にどんどん近づいている、などのケースです。
観測している要因による変化(例えば決算書での数字など)だけプラスにしようとして、よくわからないものは、臭いものに蓋で見ないようにすると、式における
{f(y₁)+f(y₂)}
のf(y₁)はプラスだけどf(y₂)は放置され大きくマイナスに落ち、結局トータルマイナスじゃん、という状況はよくあります。今の日本の企業の大半がおそらくそうですね。
後は、意識=f(x)についてですが、これは分母なので、Pを大きくプラスにするためには、基本的にこのf(x)は小さい方が良いですね。ただ、あまりにも0に近づくと、分子がマイナスになったときにも大きなマイナスになってしまうため、ハイリスクハイリターンになってしまいます。躁鬱病、はその状態なんじゃないでしょうか。
で、意識=f(x)がマイナスの値になっている人は、いわゆる悪人ですね。
分子の{f(y₁)+f(y₂)}が、虐待などを受けるなどして、どうしてもマイナスになってしまう、生まれてこのかた不幸な世界しか知らない、という人は、Pをプラスにするためには、分母の意識=f(x)をマイナスにするしかないのです。これは、苦肉の策であり、すべての悪人が、望んで悪人になったことではないという可能性を示唆しています。
で、定数aですが、これはどんな人の意識でも、ニュートラル状態はある程度のささやかな幸福状態であることを意味しています。仏教の「足るを知る」という格言(生活は最低限のもので満足すべし)は、この「a」を最大限に活用せよ、という言葉なのかもしれません。
私の10代の頃の戦術もそれに該当します。私の場合、不幸感が半端なかった、つまりPがマイナスだったので、分母の「意識=f(x)」をめちゃくちゃプラスにしようと試みました。すると、{f(y₁)+f(y₂)}/f(x)が全体としてわずかにマイナスになり、それがaより小さければ、Pはプラスになります。
そしてさらに、f(y₁)を大きくプラスにすることでPを大きくしよう、と試みました。結果、今の私のように、大きな意識(肥大化した自我)と、観測している要因による変化の増大(世界を見る広い視野)が身に付きました。
それが良いのか悪いのかはさておき、とりあえず人間やってるならPをプラスにすればいいので、やるべきこととかは、あんまりバリエーションが無く、悩みようがないんだな、とわかりました。めでたしめでたし。