思々コラム

ヤフーニュースによると、米バイデン大統領が、

 

移民関係のイベントで、「ロシア、中国、日本」を名指しして、「移民を受け入れないのは排外主義的であり、それはけしからん」という趣旨の発言があったようです。

 

「日本人は外国人が嫌いだ」との発言も。

 

後日、米高官が「大統領に同盟国(日本)の名誉を毀損する意図は無く、移民受け入れの重要性をアピールするものだった」との釈明があったようです。

 

これを見て思ったこと・・・

 

はっきり言って、昭和世代の日本人はほとんど、確実に外国人を「我々とは違う」と思っていると思いますね。排外主義といえばその表現が適当である面もある。

 

若い世代は、どう思ってるか知らないですが、「空気を読む」ことを重んじている当たり、従来からの日本スタイルが継承されているようなので、やっぱり「私たちとは違う」と思っているかもしれません。

 

ただ、日本人は、元来単一民族ですから、本当の所は、

 

「自分たちと違う国・違う人種の人達とどう関わればいいのかわからない」

=「単純に、慣れていない」っていう所だと思います。

 

日本に生まれ、ずっと住んでる私の見解ではそうです。

 

なので、「排外主義だから」→「移民を受け入れない」というよりも、

 

「慣れていない(他人種同志の意思疎通において太い互換性を見いだせない)から」

→移民はやだな、めんどくさいな、と思う

 

ってだけなので、時間をかけて慣れれば、クリアできる課題だと思います。

 

ただ、クルド人とか、私もよくわかりませんが、一部の「移住先の国の治安を荒す係」みたいな連中とは、基本的に平和的・建設的に交流する機会も少ないと思うので、

 

その面では、アメリカが強力にやっているような、対抗措置・管理制度みたいな対応の発達も必要になるでしょう。これも時間(と忍耐)が必要です。

 

私の結論としては、「バイデンさん、移民に関しては色々な準備が整ってないからちょっと待っててね、歩調を合わせられなくてごめんね」ということになります。

 

私が興味を持ったのは、やっぱり欧米人って、ルールというか制度条件にこだわるようですね。

 

元々、ヨーロッパ大陸で、他人種同士のぶっ殺しあい・略奪し合いをしていたわけですから、

 

ハナから「外敵と(嫌でも)関わる」環境で進化していったのでしょうから、これは「移民と付き合う」のと状況が似ています。

 

そういう互換性の無い相手と、血の火花を散らしていたわけですから、

 

それらを治めるために、「制度」に頼る、となるのは理解できます。

 

日本の村社会のように、「みんなで同調しよう」とは最初から方針が異なるからです。

 

なので、有利を得るために「制度」をいじろう、

 

トヨタを抑えるために、ガソリン車をナシにしよう」とか

 

「金融取引の制度を複雑にしよう」とか

 

けっこう多いですよね。

 

最近フォローしている外国人の方のツイート文章で覚えた英単語があるんです。

 

「push」という単語。

 

これは日本では「押す」という意味がポピュラーですが、その含意を辞書でよく調べると、

 

「他者から、嫌でも~をするように押し込まれる」みたいな意味もあるそうです。

 

おそらく、欧米人は、「push」されることを、日本人と比較して、相当嫌がるんだと思います。

 

だってそれって、一種の略奪・侵略行為ですもんね。

 

日本では、例えば権力者から何かを強制された場合、「それが日本社会全体の総意なんだ」と解釈して、「服従できない奴は反乱分子だ」という解釈がなされます。

 

だから日本人の多くは、それが個人的に嫌でも、「push」されることを受け入れる。

 

この辺は、単なる「文化差」なので、面白い相違だなぁと思います。

 

ただ、バイデンさんからすると、

 

「移民大量受け入れ」という厳しい条件(制度)下で、がんばって対応を洗練させて、苦しみながらがんばっている、わけです。

 

一方、日本は、移民受け入れに係るコストをほとんど背負っていない。楽をしている。

 

ずるい!日本も同じ制度下で苦しんで努力しろ!

 

そして「もし日本も同じ条件下であるならば、アメリカの方が方法論的にアドバンテージがあるので」→「有利を得られる」

 

というロジックでしょう。

 

私は、自国・他国の制度をいじって、有利にしようっていうのは、

 

戦略上正しいし、理念として「フェア」でもあると思うので批判はしません。

 

ただ、有利を得る方法論は、「それだけじゃないので」

 

「制度をいじる」以外の、努力のアプローチが存在すること、そして色んな特性の国々が、それぞれに適したアプローチに重点を置くことを許して欲しいなと思います。

 

これは無理あるのかなぁ。

 

例えば、中国のような一党独裁政治があっても、私は「いいじゃない」と思いますよ。

 

中国が「そうしたい」「そうする」ならば、それでいけばいいでしょう。

 

色んな制度があって、各国が、その枠内で、努力するで良いと思います。現時点で、そうなってるでしょう。

 

仮に、世界統一政府を作るって言うなら、ベースとなる統一制度は必要かもしれませんが、

 

そういう覇者もいないわけですし、制度については今のままでいいんじゃないかと思います。

 

日本は移民を徐々に入れていって、個別の問題・脅威を矮小化させつつ、慣れていけばいいんじゃないでしょうか。

 

それぞれのペースで、それぞれの事情を抱えて、やっていくのが私は好きです。

 

アメリカは強いし、頼りになるので、仲良くできたらいいなと思います。

 

おわり