多様性について

なんかフワフワしたこと言いたくなって、多様性について考えようと思います。

 

私がこの言葉を初めて聞いたときは、「多様性を実現するには、なんかコストかかりそうだな」という印象を受けました。

 

単純に、一般的に「船頭多くして船が山に登る」傾向はあるので、いろんな性質の人の意見を同時に満たすような案をひねりだして、運用しようとすれば、おそらく金や手間がたくさんかかるだろうという直感からです。

 

多様性というと、つまり現状、不利をうけている各ジャンルのマイノリティーの人達の立場を守り、共存していこうという趣旨だと思います。

 

私自身、自分と性質が似ている他人を見たことがないので、ある種のマイノリティーであり、あんまり社会となじめない、自分の居場所があんまりない不利を受けていますが、

 

もし、これが改善されて、例えば今の私の健康状態や生活状態で、社会に居場所を与えられ、仕事ができたなら、嬉しいなぁと思います。

 

ただそれを、「あなたはマイノリティーで、社会全体が今まで疎外してきたから、それを改善します」というのは、ちょっとおせっかいというか、向かうベクトルが違うのではないかと思います。

 

大事なのはマイノリティーを保護する、ことではなく、様々な個人が本当の思いを声に出して、同時にその声をみんながちゃんと拾い上げる仕組み作りではないでしょうか。

 

そういう意味で、「マジョリティとマイノリティー間のやり取り、不均衡」に対して手当する必要はあまりないと思います。

 

だって、例えば、消費者のお財布事情に気を遣って、スーパーマーケットが価格を低く抑える、とかでも

 

スーパーマーケット側が、ある意味、不利を受けている(消費者が優遇されている)現象です。

 

「この不均衡を是正するために、スーパーマーケットの不利を減らすために、商品価格を一律アップしましょう」というと、「ん?」ってなりますよね。

 

ならないでしょうか?ならない人もいるかもしれませんが

 

いや、そうじゃないだろうと。重要なのは、「スーパーは経営を維持するための適正価格で売って、消費者もちゃんと商品価値を確認して下手な買い物はしないようにしましょう」が正しいでしょう。

 

多様性問題も同じことが言えて、重要な点は、「健全な仕組みの立ち上げと運用・維持」であって、利害関係者同士の調整ではないと、私は思います。

 

マジョリティであろうが、マイノリティーであろうが、金持ちであろうが、貧乏であろうが、関係なしに、「それぞれの意見を無視しない、とりあえず拾う、周知する」というステップを確実に踏めるような社会的な仕組み、インフラの整備が必要であると考えます。

 

「すべての人の意見を拾って、周知して、みんなで知って」そこまでを中間目標として、とりあえずそこを目指す、話を1歩進める、ということができたらいいと思います。

 

そっから先の話、つまり、「ある人の意見に沿った政治的決定をするかどうか」については、全く別の話になってきます。

 

すべての人の意見を実現することは不可能ですから、必ず「どの意見を活かして、どの意見を殺すのか」という判断こそが、政治の機能でしょう。

 

この辺のプロセス、手順を、まとめて一緒くたにしてしまうと、丁寧な進め方ではなくなり、結局、話が進まないという結果になるだろうと思います。

 

ちょっと前に、なんか、忘れましたが、G7の会合かなんかで、「日本は多様性についての対応が国際的にひどく遅れている」という批判が欧州などからあったとニュースで見ました。

 

なるほど、欧州からすれば「我々はコストを払って、多様性に対応してがんばっているのだから」「日本も先進国であるならば、そのコストを払って多様性社会の実現のための責任を果たすべきだ」という主張なんでしょう。

 

これもちょっと「ん?」って感じですね。

 

いや、多様性が「やっかいなハードル」扱いであるならば、つまり、先進各国の政治家は「多様性対応を嫌々、(誰かの指示で)やらされている」みたいな感じだからです。

 

いや、そうじゃないだろうと。

 

目的は「健全な社会を実現するための仕組み作り」でしょうと。

 

それは「嫌々やる」もんじゃなくて、熱意をもって取り組むことでしょう。だって、それが実現できたら、少なくとも人間はみんな嬉しいんですから。

 

喜んで楽しくやりましょうよ。

 

そのために、「マジョリティーとマイノリティー間の利害調整」を掲げるのではなくて、「誰であっても、小さい声であっても、無視しない拾い上げて広く認知する」という段階までを中間目標として、仕組み作りを進めていけばいいと思います。

 

もしそれが実現できたら、「利害調整」は未だ実現しないかもしれませんが、不利なマイノリティーにとっては大きな前進になりますよ。

 

そして、その仕組みの枠内で、次に、どの声を活かし殺すかという次のステップに進み、それを洗練されたら、「マジョリティーとマイノリティー間の利害調整」が適正に実現されるという結果が、必然的に、付随的に、得られるようになるでしょう。

 

という、これも私が数日前から言っている「プロセスをゆっくり、丁寧に確実に踏もう」という意見と同じことですが、

 

一気に「美味しい実」に飛びつくのでは無く、段階的に、階段を複数設けて、1歩1歩進めば、確実に話は前に進むし、結果的に「実」にありつける、嫌でもありつけてしまう、というのが地球の理です。

 

まぁそのために、私も、ヤフーニュースとか見て、ヤフコメとか見て、色んな声を読んでみて、拾っています。

 

それでは足りない部分や、読み込みに十分ではない点があると思うので、

 

21世紀人類伝家の宝刀「IT技術」で、AIを用いた意見集約、少数派意見取りこぼし防止システムみたいなものを、頭の良い誰かが作ってくれることを期待しています。

 

これは官・民協力して、やったらできると思います。

 

最終的には「やるか、やらないか」の政治判断でしょうね。