A diary 8/29その④

川崎市の小学校で、教諭がプールの水を6日間出しっぱなしにして、その水道代の損害の半額・計95万円を、川崎市長が校長と当該教諭に課したというニュース記事を読みました。

 

これに対してSNS上では、「仕事での過失の責任を個人に負わせるのか?ブラックすぎる」という批判が上がっているようです。

 

私はこれは意外だったのですが、もしも損害金190万円を全額、市が補填していたら「税金の無駄遣いだ」とか、「学校はどうしてミスが起こるやり方をしていたんだ」とかいう批判が出ていたんじゃないかと想像します。

 

私は、教諭は過失でも損害を出したことには非があるし、そういうことが起こるようなやり方を管理していた校長にも非はあると思います。

 

市長としては、「学校の中で起こることに関しては、学校の教諭や校長がちゃんと責任持ってやってくれよ」という意思表示をしたかったのでしょう。

 

それはそれで、妥当だと思いますね。

 

ただ、教諭と校長の2名で95万円の罰金は、けっこう額が大きいので、この額が適正かどうかは微妙だと私は思います。

 

罰金は、月給の10%くらいでいいんじゃないでしょうかね。公務員の給料相場を知らないのですが、40万なら4万円ですか。こんなもんで、罰金としては妥当じゃないかと思います。

 

SNSで批判的な意見が上がっていた理由は、みんな「労働者個人の過失は、組織が被って欲しい、そうでないと安心して働けない」という考えを持っていて、川崎市長の決定に対して、労働者にとって不利益になる危機感を覚えたからでしょう。

 

過失に関しては、組織だけの責任ではなく、当事者個人側も「こういうやり方では過失でミスが起こりえますよ」「これを防ぐためにはこういうやり方が良いですよ」とか、上司に問題のアラート提示をする責任はありますよね。

 

結局、責任は「個人」「組織」の区別で「0% or 100%」になるものではなく、個人も組織も、良いバランスでどっちも責任がありますよ、というのが事実に即した制度だと思います。

 

もちろん、責任は遡って、教育委員会にもあるし、市長にもあることになります。当事故は行政の範疇ですから。

 

だからこそ、市長は学校側に全額賠償を求めていないし、「責任の50%は学校側にあるよね」という判断をしたのだと思います。

 

個人的には、被害額合計が190万円で、学校側は10万円くらいの罰金で、いいんじゃないかと思います。

 

教諭が4万円の支払い、なら、再発防止に積極的になると思いますし。

 

95万円の支払いは、肩を落としてしばらく落ち込んじゃうレベルですね。そこまで罰しなくてもいいかなと思います。