テロリストの扱いについて、何回かツイッターでつぶやきましたが、結局、人それぞれのライフスタイルとか価値観とか、自由度の高い要素に依って意見がわかれるな、と感じました。
よって、「私はこう思います」というのは「私の価値観はこうです」というだけのことで、あまり重要なものではないのですが、考えたことを書こうと思います。
シミュレーションとしては、社会を「荷物運びをしている山岳隊」だと例えると、テロリストは「荷物の重さにキレて隊長とかを殺害しようとした人」ですね。
この山岳隊は、けっこうハード（人生がハードであるように）で、重い荷物を持たされて潰される（体を壊したり、精神疾患や、自殺など）人が少なからずいます。
平均的な能力の人が、運べる荷物の重量が３０ｋｇだとすると、１０ｋｇしか運べない人もいるし、５０ｋｇ運べる力持ちもいます、つまり不平等があります。
ここで、ある一人がキレて、山岳隊長に襲い掛かりました。理由は、「自分が不当に重い荷物を持たされている」とか「潰れている他の隊員がいるのに隊長はその対策を怠った」とか、どうにでも後付けで理由は付けられますが、とにかく「無理」があったと。
つまり、「自分の能力では無理な重さの荷物を持たされた」認識があったということでしょう。
ここで、「理由は何であれ、隊長に暴力を振るうのはダメ」というのは秩序が大切という観点で正しく、テロを実行した隊員は、欠陥品であることは確かだと思います。
「欠陥品だとわかったならもっと苦しめて、もっと重い荷物を持たせて潰してしまえ」みたいな考えは、どうかな？と思います。これ、ツイッターでも学のある人がけっこう気軽に用いているのですが、やろうとしていることはリンチで、なかなか野蛮な勇ましい発想だと私は感じます。
欠陥品の扱いは、刑法とかの法律に順じて、刑罰を与えたり刑務所にぶちこんだりして社会から隔離したりすればいいので、特にリンチは必要ないと思います。
欠陥品という評価は間違っていないけれど、具体的に、どのような欠陥品であったのか、を検証する必要はあると思います。その意味で、私はツイッターで事件や容疑者の背景を知るべきだ、と書きました。
もしテロリストが、５０ｋｇ持てる能力があって、３０ｋｇしか持ってなかったのに、隊長を殺そうとしたのならば、なかなかのやばい奴だと言えます。こういうやばい奴は、必ず犯罪を犯すだろうし、その時点で法の適用をすべきです。
逆に、１０ｋｇしか持つ能力がないのに、５０ｋｇ持たされていた、という状況であるならば、健康を害したり、精神疾患を患ったり、自殺したり・・・と同じトリガーで、テロ行為に及んだ、と考えられます。
あきらかに能力以上の負荷がかかっていたならば、ほぼ１００％、本人（身体＋精神）は何らかの反応を示しうるからです。
この１０ｋｇしか持てない人の荷物が、２０ｋｇだった場合を仮定すると、もしかしたら辛いけど何とか我慢できて、欠陥品にはならなかったかもしれない。
かもしれないのでわからないですが、あらかじめ「この人は何ｋｇ持てる人なのか」ということが明らかだった場合は、不具合を起こすことは防げた可能性がある。
世の中には力持ちがいるし、非力な人もいる。「神は乗り越えられる試練しか与えない」と言われるように、その人の能力を大きく超えた負荷をかけるのは明らかにナンセンスです。潰れて、壊れたり狂ったりするのは明白だからです。
そういう意味で、今回の岸田首相襲撃テロ犯が、どのくらい非力で、どのくらいの重量を持たされていたのか、という点の検証は必要であって、「その人の力量に応じた負荷になるよう制御する」ことも社会的使命として存在すると思います。
かくゆう私も、重い荷物を持ち、人柱という言葉の意味をかみしめ、精神疾患を患ったことがありますが、自分の能力を超えた負荷はかけたことがないですね。捨て身スタイルでも、自暴自棄にはなったことがないので。
今回のテロ犯は、おそらくかなりの非力で、あまり高負荷がかかっていない状態で、犯行に及んでいる重度の欠陥品のように見えますが、本当にそうなのかちゃんと確認したほうがいいですね。
例えば教育を充実させていれば、非力じゃなかったかもしれない。家庭愛が潤沢ならば、負荷が高くても我慢できたかもしれない。
そういう可能性もあるので、社会的にテロが起こらないような環境づくりというのも、意義があることだと思います。
テロは、取り巻くすべてによって影響された、バランスの歪みによる地震のような現象だと考えています。それを完全に制御する力は人間には備わっていませんが、改善努力によってベターなものにすることを心がけた方が良いと思います。
