壁から見える情報

壁はいろんな利用方法がありますが、メジャーなのは「対象を閉じ込め」て、「攻撃されないようにする」という目的だと思います。

 

で、現実世界の情報の海の中で、確からしいことがあまり無いぼんやりとした陽炎のような環境においては、この壁の情報というものがとても意味を持ちます。

 

壁の強度とか、枚数とか、構造とかの情報は、「閉じ込める対象である人間を、どのような存在であると想定しているか」を映す鏡になっています。

 

例えばライオンを閉じ込めるためには、鉄格子の頑丈な檻を用いますが、その檻の中でカブトムシを管理する人はいないと思います。

 

現実世界の在り様の可能性においては、「鉄格子の檻の中でカブトムシを飼う」という現象はあり得ますが、それが実際に起こる可能性はとても低いです。

 

「壁が、頑丈な鉄で作られている」という情報を鏡にして得られる新たな情報は、『その壁の設置者は「対象(ライオン)は強い力で暴れる可能性がある」と認識している』というものです。

 

それを踏まえて、現実世界の壁を認識すると、壁設置者が持つ認識の情報と、その壁の中にある人間の本質(性質の偏りや性能限界)の情報を同時に理解できることに繋がります。

 

それなので、私は現実世界を知るうえでは、この壁の情報を最優先に取りに行く予定です。それが最も速いからです。

 

しかしながら、壁の持つ潜在的な情報量というものが大きすぎるので、「知ってはいけないことまで知ってしまう」リスクがあります。

 

知らないなら安全だったのに、私が知ることで、私をハブとして情報が流出する危険があるということです。

 

そういう事情があるので、情報ホイホイに吸い込まれるゴキブリのように貪欲さを出すのではなく、「これは知っても大丈夫かな?」と確認した上で、地雷除去をするようにびくびくと情報収集をすることになります。

 

知ることで幸福になる私としては、「知らないほうがいいことがある」というのは大きな制限、不自由さ満点の手枷足枷です。

 

最終的には知らない方がいいことも知るようにしますが、その高い理想を達成するには、十分な準備となんらかの訓練等が必要になるということですね。