ヤフーニュースで、企業がパーパス(大目的)を掲げているのが流行っているが、うまく会社の社員に浸透しないで、ただの看板になっているという内容の記事を読みました。
パーパスを設定したはいいものの、
その目標が解決がすんごい難しい社会課題でハードルが高すぎたり、
経営の意志決定の際、もともと3~5年先の目標しか定められないスタイルであるため、長期的な目的であるパーパスとの折り合いがつかないとか、
自前の資本ですべてをやろうとすると、こじんまりとしたビジネスになってパーパスに届かないとか
「うまくいってない」ケースが少なくないようです。
そもそも、「経営をよくするために」「パーパス」を掲げるって、主従が逆転しているんですよね。
正しい手順は、
⓪人間がオギャアと産まれる
①パーパスを掲げる
②会社を起業する
③持続するために(パーパスに沿う形で)経営をよくする
です。
あえて、手順⓪を入れましたが、
まず、生を受けて、そっから
「オレはこういう戦略で生きる」っていう発想があって、大目的を設定するんですよ。(つまり特定の戦略を選択すること)
例えば、「弱い者をいじめて、搾取しまくって、たらふく喰い散らかすという戦略で生きる」でも、ひとつの戦略として成立します。
それを建前の世界で公表する人が少ないってだけで、それもれっきとしたパーパスです。
ただ、こういう会社は、迷惑ばっかりなので、人気がでません。
「この会社、無い方がみんな幸せだよね」ってなるからです。
そういう逆風があったりするので、
人気があるのは「みんな(人間、自然界の動物とか)が前進するのを助けるような戦略で生きる」っていう会社ですね。
これは別のところから逆風がふくこともありますが、基本的に「良環境」をつくっていこうっていう発想なので、普通の人はこれが好きでしょう。
で、パーパス設定によって「人としての戦略」が決まったら、
それで初めて、「②起業する」です。
戦略の枠内で、起業し、活動を持続させる(そのために経営成績を一定水準以上維持する)
これが正しい手順です。
しかし実際は、
⓪オギャアと産まれる
①ルールがわけもわからないから、とりあえず生きるために金を稼ごう
②起業する
③「パーパス」を設定すると「得なのか!」と知る
④「パーパス」を掲げてみる
っていう、「人(本人)」と「会社」が連結してないんですよね。
人としての戦略が解像度低くて薄いから、会社のパーパスにもなってこない。
っていう構造だと思います。
だから、会社の戦略よりも先に「オレの生存戦略どうしよう」っていうところが必要だと思います。
「わけもわからず金儲けしてますん」
っていう意味不明な活動を、いったんやめる(つまりいったん死ぬ)ことが必要になってきます。
まぁ死ぬって言うのは大げさで、「戦略の大幅見直し」ですね。
ただ、現在進行形で生きているので、「戦略の大幅見直し」ってけっこう難しいんですよ。
例えばメガ銀行のシステムを、基幹部から大きく改修するって難しいのと同じです。
営業中ですから、「今日の売り上げ」あげるために、「間違いを含んでいるかも知れないシステムをとりあえず動かさなきゃいけない」からです。
だから、私の言ってる正しい手順通りにやろうとしても、「実際、無理だよ」ってのはありうると思います。
だから、結論としては、「もうオギャアと産まれちゃって走り出しちゃってる人は、生存戦略の大幅見直しなんてしなくても良いと思いますよ」です。
看板だけのパーパスだって、いいじゃない みつを です。
なぜいいかというと、まだ産まれてきてない、未来の人材が生を受けてくるからですね。
未来に産まれてくるなら、正しい手順を踏めるチャンスがある。
そういう正解選択者が、成人して、経済界を一瞥して、
「形だけのパーパスかよ、全然わかってねぇなこいつら、ダメだわ」
とか辛辣な意見を持ちつつ、
「じゃあオレがやったるか」「正解見せたるわ」
という奉仕精神の元、「良い会社」を作っていくんだろうな、と見込んでいるから、
「『今』は多少欠点があっても良い」ってことになります。
後進頼りってことですね。
現在進行形でRUNしている(生きている私)は、そういう予定で、流れを流していこうか、と心の準備と、あと物理的な、あるいは制度的な準備をして、
頼れる後進を、待ち構えてスムーズに流していけばいいだけです。
こういう風に改めて言ってみると、これってかなりラクしてますね。
まぁラクが許されないケースが多いですから、これもあんまり現実的なプランじゃないかもしれません。
ただ、後進が頼りになるっていうのは必然的にそうなりますね。
自分もできるだけがんばろう(「パーパスの概念を上手に扱おう」)と私は思いました。
おわり