利用価値

今回は利用価値について書こうと思います。

 

利用、というと、けっこう嫌なイメージ(他人を駒のように使う・利己的に他を操る)があると思いますが、この要素はけっこう重要なものです。

 

「誰かに利用される」

 

これは、ぱっと見、なにやら自分に不利益が来るような予感がします。

 

例えば、「弱い者を喰い物にして稼ぎを得る世界が人間界だ」という常識が固定観念化していたり、その世界観を本人が「内面化」(←最近覚えた言葉を使ってみました)している場合とかは、

 

「誰かに利用される」は、自動的に「自分が喰い物にされる」に変換されますから、これは危ないぞ、となるのは自然なことだと思います。

 

しかし、他方で、副次的な固定観念を取り除いた、基礎部分に近いフィールド(つまり、かなり広範なフィールドを貫いている場)においては、

 

「自分に利用価値がないほうが危険」というのが基本になります。

 

例えば、会社の清掃の仕事の場合。

 

清掃も突き詰めれば奥が深いだろうし、その道のプロフェッショナルさんたちは一般人が驚愕するような匠の技を持っていると思います。(私もテレビでそういうプロの人の働く様子を見て、すごい!と思いました)

 

しかし、例えば「会社ビルの清潔感をある一定水準に保つ」という、比較的、シビアでない条件での「清掃」の場合は、

 

「どういう性質の人でも、問題なくできます」

 

ここの文脈で言いたいのは、「だから、ビル清掃の仕事はお軽い仕事だ」ということではありません。

 

言いたいのは、そういう「多くの人ができるような仕事」しか、できないということは・・・

 

ここから先に私が何を言うと思いますか?

 

「多くの人ができるような仕事しか」できないということは・・・

 

結論:「その人の能力がへぼいということです」

 

これはブッブーです。そういうことではありません。

 

正しい結論は、

 

「(利用する側の視点に立つと)その対象の人には、そのような仕事しか与えることができない」という制限が生まれるということです。

 

利用する側は、「はっ、お前程度のもんは、掃除でもしてろや、この奴隷が!」と思っているわけではありません。

 

いや、そう思ってるかもしれませんが、あるいは、実際にそのような事をはっきりと発言しているかもしれませんが、

 

注目すべきは、その表層的な面ではなく、実質的な部分です。

 

実質的には、つまり、「本音」では、以下のように思っています。

 

「こいつ、できれば最大効果で、利用(活用)したいんだけど、この仕事しか与えられないな、しょうがないな・・・(しょんぼり)」

 

と言う感じなのです。

 

「対象を、めっちゃ活かしたい(活躍させたい)けど、できないから、不自由だなぁ、まいったなぁ、こんなんで全体の運営大丈夫かなぁ」

 

ということです。

 

利用価値のない人を、活躍させることができないという事実が、利用する側も、あまり嬉しくないということです。

 

逆に言うと、利用価値があって、「めっちゃ活かせる」奴というのは、全体運営に大きく利することができるので、「よっしゃ!いいカードゲット!」とガッツポーズが出るのです。

 

もちろん、「駒の能力が桁違いに高すぎる」というのも、全体のバランスを崩す脅威になりうるので、行き過ぎは逆にエラーになりますが。

 

(ここまで書いて、注釈をつけると、これはあくまで私の空想上の世界観なので、確定事項(真理)として流布しているわけではないですよ。)

 

なので、何が言いたいかというと、

 

・「あなたは、できれば活躍したい(活きたい)」

 

・「利用する側も、できれば活かしたい」

 

という、利用する側・利用される側が「同じ方向を向いている」ということです。

 

実態は、リアルの現場では、「悪魔のような顔をしたパワハラ上司が、従業員を奴隷のように酷使して、破壊して、捨てている」のが本当だよ、という感じになっていますが、

 

そこで私は「いや、実質は、実はどっちも同じ方向を向いているんだよ」

 

ということを言いたくてこの日記を書きました。

 

おそらく、このことが見えていない人が、大多数だと思います。

 

見えていないパワハラ上司もいるでしょう。

 

見えていないのならば、「管理職につくだけの資格がないですね、ヒラに戻ってやり直した方がベターです」と私は言います。

 

まぁ働いてないので、上司がいないから、言う機会がないんですけど。

 

そういうわけで、私は「ようし!自分の利用価値をガンガンあげて、使役者の寵愛を頂くぞ!」とまでは考えていませんが、

 

「もしも、私に利用価値がないとなったら、まぁ、処遇は非常に悪くなる可能性が高いな。それは許容するとしても、『全体運営のことを考慮するならば、それは面白くないな』。利用価値は、ある程度必ず確保しておこう」

 

と思っています。

 

使役者が、望んでいるから

 

「専務がそうゆっているから」

 

やるんじゃないんですよ。

 

「自分はヒラ社員だけど、会社全体が問題なく回った方が都合がいいから」

 

「会社(全体)と齟齬がでないように、エラーを出さないように」

 

「上司、あとは他のすべてのメンバーと、『同じ方向を向いて(信じて)』、全体が大丈夫なように、自分ができる範囲で、できることをやろう、最善を積み重ねていこう」

 

と思って、生きているんです。

 

さぁ、あなたはどうしますか?これは命令でも、提案でも、ありません。ただの私の空想、戯れ言を情報提供しているだけです。

 

ご自由に決めてください。