A diary 8/23

国、組織の腐敗について考えてみました。

 

私の言っている「組織の腐敗」とは、「地位がある人が、自らの裁量権の範囲内で、富をちょろまかすこと」を言っています。

 

これは企業でも、官庁でも、あると思います。

 

こういうのを見ると、普通は「しょうもない、情けないなぁ」と思うのですが、必ずしもこれが問題であるとは限らない場合があります。

 

それは、「その人の仕事の働きに対して、規定の報酬が少なすぎる」場合です。

 

大して働かなくて、立場を利用して、富をちょろまかしているのならば、「しょうもないね」ということになるのですが、

 

ちゃんと働いているのなら、ある程度「規則に反したり、抜け穴をすりぬける形で」、得られる報酬をつり上げていても、私はいいじゃん、と思います。

 

そもそも「異なる人同士で、同じ仕事量・質ならば、同じ報酬」ということが、成立していないかもしれません。

 

例えば、Aさんは人生で一時も衣食住に不安を覚えることなく、親からは愛と質の良い教育を受けて、大学新卒で元気に働けたとします。

 

一方、Bさんは、父親が家族に暴力をふるったり、ギャンブルなどにお金を浪費するような家庭で育ち、学生時代はグレて、暴走族に入りその後、高校卒業と同時に更生したとします。

 

このAさんと、Bさんが同じ仕事をして、1ヶ月当たりの仕事量・質が、AさんとBさんで同じだとしたらどうでしょうか。

 

私は、上記の単純化した条件で考えるならば、Bさんの方がAさんと比較して、多くの報酬をもらった方が公平だと思います。

 

なぜなら、Bさんは荒れた家庭で育ち、Aさんは恵まれた家庭で育ったという、精神的な負債額に差があるからです。

 

Bさんの父親の家庭内暴力の責任を、「社会が課題として引き受ける」という姿勢があるならば、Bさんには慰労手当として、Aさんにはない別口の報酬を加算すべきだと思います。

 

もしもBさんの父親の家庭内暴力を、

「それは本人の人格に問題があるからでしょ、父親が100%悪い」

「Bさんもそういう親に当たって、親ガチャに失敗したね、ご苦労様」

という扱いをするのであれば、Bさんの不利は考慮しないということになるでしょう。

 

これは人によって違う価値観の話になりますが、

 

私としては、「ひどい家庭環境でも、今はなんとか更生して、仕事もちゃんとできている」Bさんを、きちんと高い報酬で報いる社会だったらいいなぁと思います。

 

そういう逆境からサバイブした人を、温かく向かい入れる経路を確保しないと、「境遇悪いのも全部当人のせいでしょ、知らない、さっさと潰れてしまえ」みたいな態度が横行すると、致命的な断絶というか、私目線では「世間=救えない連中」に映ります。

 

まぁこれは考え方次第で、自由ですが。

 

私はこういう考え方をしているので、組織の腐敗のように見える、「富のちょろまかし」があっても、その当人の背景とかを個別に考慮した上で、ジャッジした方がいいんじゃないかと思います。

 

おそらく、現状ある、腐敗の5割くらいは、正当な腐敗なんじゃないかと予想します。

 

それくらいのコストを払っても、秩序が維持されているならば、安いものだ、十分ベネフィットはあるという考え方をしています。

 

既存の報酬ルールを、実状に沿った形で、フェアなもの・最適なものにしていく努力をすると良いと思います。