前回の日記は、やる気のない惰性で書いたもので、書いてあることはそこまでずれてないけど、あんまりどうでもいいことでした。
今回は、まぁまぁ有用な情報だと思います。
と言っても、大分前に書いた日記の繰り返し、焼き直しです。
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リスクの扱い方、ということで、基本的な考え方を書こうと思います。
一般的には「勇気を持ってリスクを取ったほうがいい」などとよく言われますが、実際的には、「怖くてできない人」は多いと思います。
そういった「怖くてできない人」目線で、リスクをどのように捉えるべきかを書きます。
■リスクは必ず減らすべきで、ハイリスクは必ず「取ってはいけない」
リスクがあるという危険を想定して、行動するというのは、勇敢であるような印象を持ちますが、これはほとんど勇敢というか、蛮勇です。
蛮勇は、危ないので、やめましょう。
世の中の「リスクを取ってる感じの有能な人」はすべて、蛮勇ではありません。
例えば、やると「70%成功する、30%失敗する」アクションはリスキーですね。
これを1回やって、成功しました。よかったですね。
じゃあ2回目行きましょうか、そして3回目行きましょうか。
3回目以内で失敗する確率は、
65.7%です(0.3+0.21+0.147=0.657)
3回連続で成功する確率が34.3%(0.7の3乗)なので、1からこれを引いても同じ計算結果になります。
30%失敗のリスクを取る、そのリスクを取り続けると、
3回目ですでに失敗率が65.7%になるということです。
これをやるのは、明らかに蛮勇であり、「死にたがり」です。
だから、やるべきことは30%の失敗率を、1%くらいまで減らすことなのです。
1%の失敗率で、これを3回やり続ける予定だとすると、
3回目以内で失敗する確率は、約3%です。これなら投資をペイできそうですね。
【結論】
リスクは取らずに、減らそう
■リスク概念の扱い方
前提として、リスクとは何ぞや、どのような概念かということを書きます。
直訳すると、「未来予測の不確実性」だと思います。
これは、(未来予測をする)人間の主観や能力に依存している部分があります。
例えば、「コップに牛乳を注いでテーブルまで運ぶ」というアクションの場合。
人によっては「普通にできるよ、別に問題ない」と思うだろうし、
ある人によっては「うっかり躓いて、こぼすかも知れない」と思うだろうし、
またある人によっては「牛の精霊が出てきて、怒りの天罰を食らって、コップが爆発するかもしれない」と思っているかもしれません。
つまり、「リスクという概念」は「幻想を含んでいる」ということです。
最後の「牛の精霊が出てきて~」は、明らかに幻想ですが、
最初に挙げた「普通にできるよ、別に問題ない」も幻想ではない、と確信できる人はどのくらいいるでしょうか。
つまり、「現実にあるリスク」を、主観や能力のフィルターに通して、「幻想含みのリスク」を見る、というのが人間が扱うリスクの概念です。
この構造からは、誰も逃れられません。
つまり、見ているのは幻想ですから、その幻想を現実と合致させることが重要になってきます。
色眼鏡(フィルター)を外す、無効化する、ということです。
■リスクを減らすメソッド
この辺は何度も書いてるので、繰り返しになります。
リスクは「未来の要素」なので、把握することは基本的に不可能です。
未来を見えないまま、リスクを測って、減らすという方針を取ります。
そのためにやることが「未来の可能性をすべて列挙して、評価して、選ぶ」ということです。
先ほどの牛乳でもいいですけど、
緊迫感を増すために、「テーブルに着いている偉い人のために、牛乳を注ぎ、運ぶ」というシチュエーションを想定します。
相手は偉い人ですから、ミスは許されません。下手したらあなたの首が飛びます。
じゃあ、考えられる未来の可能性を列挙してみます。
<コップを用意するフェーズ>
・コップが割れていると、口を切ってしまうかもしれない
・飲みにくいコップはNG
・必要な人数分のコップを出したい
<牛乳を注ぐフェーズ>
・うっかりこぼして、手間取って偉い人を待たせてしまうかもしれない
・牛乳かと思って、実は「十勝のむヨーグルト」を手に取ってしまったかもしれない
・全員分、ちょうど良い同量ずつ注ぎたい
・アイスかホットかちゃんと確認したい
<牛乳を運ぶフェーズ>
・つまずいて転んで偉い人に牛乳をぶちまけるかもしれない
・偉い人が「えっ私牛乳はお腹痛くなるから飲めないんだけど」とか言い出すかもしれない
・牛乳の精霊が怒るかもしれない
このような感じですね。どうでしょうか、心配性でしょう?
リスク管理が上手い人は、おそらく大体心配性です。「そんな不安考えてたら、日常生活に支障でるわ」と思うくらいの心配性です。
なので、日常では、ここまで心配には思っていません。メリハリを付けて、「しっかり考えなきゃいけない意思決定」においては心配性になり、「比較的軽いこと」については、普通に「何も考えずに」行動します。スイッチのオン/オフをします。
で、すべての未来の可能性を全部挙げたら、リスクが可視化されますね。
可視化されたリスクを、「全部」「潰す」のです。
すべてに対策を取る、ということですね。
これができると「未来の危険を回避」できるアクションが実現します。
又、仮に、全部潰すのが無理でも、
「こういう危険は、あり得るなぁ・・・」と冷や汗をかきながら、それを受容してアクションが取れるようになります。
これが、「覚悟を決める」ということです。
普通のサラリーマンであるならば、命の危険を覚悟して何かをする必要はないので、ここまでやった方がいいとは言いませんが、その最悪を知っていると、多少の失敗は全く怖くなくなります。余裕が生まれます。
このように、「リスクを取る」というカッコイイ営みも、実は白鳥の水面下のように、バタバタ足を掻いているというわけです。
これが洗練されてくると、ある程度カッコイイかもしれませんが。
どこまで行っても、やはり、ある程度恐怖は拭えませんので、楽はできません。
これからリスクを取りたいと思っている人向けに、書きました。
ご参考になったら幸いです。