会社の役割

普通商売において、会社はお客さんを想定して、需要を見出して、それに対してマッチする商品やサービスを創り、営業をかけたり広告を出したりして、売っていく、という流れだと思います。

 

お客様というお姫様or王様に対して、「こんな商品いかがでしょう、買っていただけませんか?」という主従関係が会社と消費者の間にあります。

 

これはこれで、面白いと思う人にとってはやりがいのあるゲームだと思います。フェアだし、がんばって運が良ければ結果がついてくるし、資本主義っぽい感じがします。

 

しかし、昨今のようにエネルギー価格とか、なんらかの資源とかが足りなくて、価格が暴騰して、まともな生活(最低限で文化的な生活)さえも危ぶまれている状況では、もうちょっと工夫した方がいいかもしれません。

 

ということで、会社と消費者の関係を、変えてみるのが面白いと思います。

 

いままでは、消費者はサプライヤーからの商品を完全に受け身で得て、消費していますが、もっと消費者がアクティブになるといいと思います。

 

「こんな商品が欲しい、この商品は必ず必要なので安価で提供して欲しい」みたいな要望を企業に渡して集約して、それを受け取った企業は要望にマッチした形で生産をする、「社会的受注生産体制」みたいなものが、今の時代に合っていると思います。

 

これは共産主義的で、資本主義とは言えないかもしれませんが、ポイントは、政府が介入せずに稼働するという所です。

 

「民主主義的な政治による政策決定システムと、共産主義的な経済の両立」というなかなか面白い実験になると思います。

 

この共産主義的な自由市場においては、消費者が積極的に発信するため、「『要らないし人気がない商品』を作って棚にならべてしまう」機会が減ると予想します。これが減ると、経営不振による企業の倒産ロスも減るでしょう。

 

もう作る前、売る前から、どの程度よく売れるのかがわかっている状態です。この出来レースのような商売において、会社は商品・サービスの細部にこだわり、又は、少ないコストで作るように工夫したりして、生産性向上を目指します。

 

このゲームにおいては、投資の流動性がとても重要になりそうです。今まで以上に、「投資家」「サプライヤー」「消費者」のそれぞれの立場の役目が際立ってきます。

 

需要があり、それを満たす商品を作る技術があるが、資金が集まらない、となると機会ロスになり損害が大きいです。

 

なので、今のように投資を受ける企業が一生懸命プレゼンして資金を集める、というよりも投資家が、積極的に必要な資金を注入する努力をするとうまく回るでしょう。まぁ売れることが確定している状況においては、投資家もそれほど神経をすり減らして投資判断をすることはないと思いますが。

 

このように、期せずして会社にやさしい仕組みを考えましたが、それは会社も、ただ一生懸命努力する、というだけで満足しないで、ちゃんと意味のある(消費者のベネフィットに効率的に繋がる)努力を、確実にやる、というのが社会的ロスの低減に繋がると思います。

 

このサイクルが回れば、国の経済は安定軌道に乗せやすくなるでしょう。