金融庁が中・高・大学・社会人向けの金融教育を推進していく検討をする、と2022年度の金融行政方針に明記するとのニュースを読みました。
何やら怪しい匂いがプンプンするのですが、そもそも「金融行政」というものがあるんですね。そういうジャンルがあるなら、そういう部署の人は「金融教育進めよう」とするのは自然なことかなと思います。
とりあえず「金融行政」の意味についてググってみました。
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<金融行政とは>
規制や監督・検査、行政処分などを通じて「金融システムの安定」「利用者保護」「公正な市場の確保」などの課題を取り組む政務。
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これでいくと、当初私が想像していた通り、金融行政の中身は、銀行とか証券会社とか東京証券取引所とか、それらに規制したり監督したり、ってのがメインなんじゃないでしょうか。あともちろん株式発行してる企業の監督とか、あと利用者保護もあるみたいですね。
この枠で、利用者の啓蒙と来たもんだ、へぇ~。背景的には「あんまり投資しない日本人に投資させたい」ってのがあるんでしょうか。
最終的な目的としては「日本株の価格を上げたい」ですか。順序としてはまずは企業改革して生産性あげて業績上げるのが先じゃないでしょうか。投資価値の無い企業にみんなが投資してもこの目標は達成されてしまいますね。その場合、全滅コースがありえますが、そのリスクは放置しないほうがいいですね。
二つ目の最終的な目標は「投資で国民に自己資産増やしてほしい」でしょうか。老後用に貯金2000万円のノルマがきついですからね。これは国民保護につながるので方向性はいいですが・・・
投資の世界は基本ギャンブルなので、そこで何が行われているかというと、「強者がいかにして効率良く、確実に弱者から金を奪い、喰いものにするかを探求する場」ですよ。
そんなとこに新兵を送り込むなんて、カモの安定供給になりうることを想定しているでしょうか。
ギャンブルって言うと何か野蛮で危ないみたいな印象がありますが、株っていうとちょっとおしゃれになりますね。おしゃれですがガチガチのギャンブラーがその領域には存在しています。そいつらを喰らってやるくらいの気概がないと、普通は勝てないと思うんですけどね。現実的には、自分と比較して相対的に弱い人を喰うことになると思いますが。
私は個別株?みたいなのは絶対やりません。
その理由のひとつは、投資ゲームをコントロールしてるやつらと勝負して勝ち目がないから。普通にやったら物量戦でも情報戦でも絶対優位に立てません。
もうひとつの理由は株が上がるかどうかなんて、その会社の従業員になって働かないと見えないから。この会社、良さそうだな~みたいな雰囲気で株買って、もし勝ってもそれは偶然です。偶然を重ねていけば、負けるまで続けて、最後には負けて退場するだけです。
株で勝つなら、ゲームをコントロール(株価操縦)してるやつらの発想を完全に見切り、かつ、彼らが使用しているであろうAIの中身をボンヤリでもつかまないと、無理ですね。
あと、比較的リスクの低いインデックス?「世界全体で見れば確実に経済成長しているのだから、まんべんなく分散投資すれば低リターンでも確実に勝てる」みたいな金融商品。
あれって、世界経済全体が前進することを前提としてますよね。でも、この世にはそんなルール存在しないんです。地球規模のおお~きな沈没船かもしれないじゃないですか。
こう言ってると私はとても心配性なんだなぁと心配になりますが、どう考えてもそういう可能性もあるので却下できないんですよね。私の好き嫌いに関わらず。
逆に、世界経済が少しずつ、確実に、ずうっと成長することが確定しているのならば、この世の社会問題なんて全て解決したも同然じゃないですか。なんて明るい未来、安心して少しずつ前進すればいいし、何なら寄り道だってできる。だって必ず成長するんだもん。辛くてもポジティブになって癒されますね。
ここまで散々不安をあおってきましたが、国民に金融のことを知識として入れるのはいいんじゃないかと思います。私も全然知りませんし、知っておいて損はないでしょう。
知っておいて損はないけど、その知識(武器)だけじゃ全く勝負にならないよ、という注意喚起が必要ですね。
金融教育をする際は、「金融入門~血沸き肉躍るギャンブルへの道~」みたいな的確な副題を付けてやった方がいいと思います。
ちなみに私はギャンブル自体は嫌いじゃないですが、それが日常の生活に大きな影響が及ぶのは嫌ですね。