夢の質

昨日の夜はウハウハで良い夢みれたなぁ、の「夢」ではなく、是非達成したい高い目標のような意味の「夢」のことを考えようと思います。

 

私の保育園児時代の夢は「セールスマンになること」でしたが、これはある意味、現在でも通じるなぁと思います。セールスマンって、社会的な地位が高いわけではないですが、「不特定多数の家に突っ込んで行って、商品をプレゼンして、売り込む」という超が付く行動力が必要な職業です。行動力の無いもじもじした私にとっては、それがすごいことだと憧れていました。あと、単純にカタカナの横文字でなんかかっこいいから、という子供らしい理由もありました。

 

小学校のときの夢は「社長になること」でした。これは本気で会社の社長を夢見ていたわけではなく、何も夢が無かったから、とりあえず挙げたものです。子供は勉強という仕事がありますが、生活は親が提供してくれていたので、「自分が何をすればいいんだろう?」と社会のルール自体を把握してなかったから夢がわかりませんでした。社会のルールを把握していないのは今も同じですが。

 

今の夢は「すべてを見通すラーメンの油になること」と「人類を半永久的に存続させる」です。急に壮大になりましたが、世界が大きいのだから必然的に夢も大きくなってしまいますね。適度に小さい世界に生きていたら、夢もちょうどいい大きさになるでしょうけど、私は広い世界が好きなのでしょうがないですね。

 

ここで、もし夢に「質の優劣」があるとしたら、それはどのようなものか考えてみました。

 

やっぱり、多角的に意味のある夢が質が高い夢だと思います。「多角的に意味がある」とは、「あらゆる立場の人がどんな角度で見ても、意味がある」ということです。

 

逆に言うと、ある狭い視点からでしか価値が見えない夢は、劣っている夢だと思います。自分だけ嬉しくて、他人から見たら迷惑になるような夢は持たない方が良いと思います。

 

例えば、「大金持ちになる」という夢ですが、本人はある程度嬉しいでしょうが、そのために犠牲者を出すことになるならば、その屍からは怨嗟の目を向けられるでしょう。それでも、「その屍にもチャンスがあったのに弱くて失敗したから自業自得」と切り捨てたりするのはやだなぁと思います。

 

犠牲者から散々お世話になっておいて、自分の世界から切り捨てるというのはわがまま過ぎるからです。切り捨てるなら、お世話になった分きっちり返済してからにして欲しいです。そういう利害関係をきちんと処理したうえで、大金持ちを目指すのは良いかもしれません。

 

私はよく世界を横から眺めるのですが、その視座から見ると「大金持ちになる」は価値を見出せなくなります。

 

「大金持ち発生現象」とは、例えば100人の村があったときに、1/100の人が、他の99人から財を吸い上げ、ギャップを生むというものだと思います。

 

それって、何か面白いことがあるの?と考えると、何も面白くないんですね。99人から財を吸収してるんだから、1人が肥えるのは当たり前だからです。ホウキでゴミを集めたら、ちり取りにゴミがたまる・・・その現象と価値は同じですね。

 

それに加えて、大金持ちになる1/100の人が、Aさんだろうが、Bさんだろうが、誰でも同じ現象なんですよね。現実にはAさんとBさんがライバル同士しのぎを削っているのですが、横から見てる分には、AさんだろうとBさんだろうと同じことです。だから、大金持ちになろう、は「しょうもな」となるわけです。

 

「大金持ちになろう」ではなくて、「新しい科学技術を開発して、人々の生活を一変させよう」という夢を持って、それに努力するのはけっこう面白いですね。科学技術を開発するのは大変ですから、その成果物だけでなく、どのようにそれに辿り着いたのかという方法論にも興味が湧きます。

 

この道に進んで、夢がかなって、科学技術の発展が実現しました!となったら、副次的に大金持ちになった、というケースは現実世界にもよくあると思います。

 

あと、アメリカには「慈善事業に寄付をするために大金を稼ぐ」という動機付けで、投資活動や投機活動で利益を上げてる人もいるらしいですね。

 

金を巻き上げて、慈善事業に選択投資する、という一種の「お金の背景の洗浄(マネー・バックグラウンド・ロンダリング)」みたいなこと。これは今まであまり集中してやられてこなかったことなので、これも面白いなぁと思います。

 

こんな感じですが、別に私に面白く思ってもらおう、と気を遣う必要はないのですが、是非あなたも世界を横から眺めてみてはどうでしょうか。横から見るのが誰であっても、その評価はあまりぶれないかなと思います。

 

一人称視点で見て、下から見て、横から見て、上から見て、どっから見ても意味のある夢だな!と思えたら、それは質の良い夢です。

 

この評価軸で、プーチンの夢を観てみてください。ちゃんと質の低い夢になってますね。