コロナの扱い

朝の情報番組で、元厚労省医系技官の木村もりよ氏が以下の考えを述べたとのニュースを見ました。

 

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コロナウイルスを季節性インフルエンザと同様に見なせば(5類扱いにすれば)、医療従事者の欠員を抑え、病床数を確保できる(一般病床を割り当てられる)ため、現在の2類扱いではなく5類相当に改めるべきだ。

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これってなんかに似てるなぁと思ったら、「ロシア等、ならず者国家からの自国侵略を防ぐために、日本も核武装が必要だ」と思考パターンが似てますね。

 

・現状に問題があると思っている

・どうにかしてその問題を解消したいという強い欲求がある

 

この条件がそろうと、普通の人の頭の中では、想像力が減退し、なりふり構わず目先の藁を掴みがちになるようです。

 

そもそもウイルスの危険度毎に、区分け(1~5類)にして、それに応じたアクションを定義していることは、目先の医療ひっ迫を防いだりするための方法論でなく、危険度にマッチした対応策を当てるという目的のための手段です。

 

「5類にすれば医療ひっ迫は起こらないからコロナウイルスは5類にしよう」という意思決定は意味不明です。

 

コロナウイルスは危険度が低いから5類にしよう」ならOKです。これならばOKというか、これ以外にあり得ません。

 

では、「現在コロナは危険度が低いのか?」というと「危険度は低くない」というのが現状認識としては妥当だと思います。

 

・致死率→ワクチン接種し、重い他疾患を持たない患者なら低い△

・治療薬→ない×

・ウイルスの働きのメカニズム検証→不十分×

・副作用に関する人体への影響度測定→不十分×

 

このように、現状におけるコロナウイルスは「簡単に患者が死ぬわけじゃないけど、正体がよくわからないリスク高ウイルスである」という評価を私はしますし、医療専門家もおそらくそういう評価でしょう。

 

一番怖いのは、この後「時限爆弾式に今後(数十年単位のスパンで)どんな問題が起こってもおかしくない」という点です。そういう意味で、コロナウイルス対応を慎重にするのは妥当だと思います。

 

その辺の居酒屋の酔っ払い客が「コロナなんて風邪だよ、風邪!」と話すのは何も問題がありませんが、医療専門家や、行政府や、政府がこれを言うのは完全にアウトですね。無責任&リスクマネジメント無能力を公に宣言することに等しいです。

 

もし、医療ひっ迫を解決したいのであれば、以下のような言い方が正しいです。

 

「コロナは2類相当で危険度・リスクは高いですが、現状の医療体制では容量越えのため、万全の対応は諦めます。よって、短期的な視点では、感染しても医療を受けられないという事案は頻繁に発生します。中長期的な視点では、コロナウイルスの解析・治療薬開発を急ぎます。今は、みんなの自然治癒能力を信じて、ノーガード戦法でがんばりましょう」

 

つまり「2類から5類に変えよう」ではなく「2類のままノーガードでいこう」が正しい言い方です。

 

政府は、「なんでもやってくれるお母さん」でも「ドラえもん」でもありません。政府はできないことはできないと言う&国民は自分を信じてがんばる、ことをおすすめします。