物理入門

タイトルと直接関係ないですが、私は以前までネット麻雀が趣味で、プロも上級卓にプライベートで参加している「天鳳」という麻雀ゲームをしていました。

 

やってみたんですが、全然勝てるようにならず、今はやめてしまっています。

 

そのゲームでは、高段者同士(人間)の対局を「観戦」できる機能があり、上手い人がどのように打つのかな~と見ていました。

 

それでわかったことは上級者は、「奇手をしない」ということです。当たり前のことを当たり前にやっているだけ、間違ったことは絶対にやらない、そんな印象で、「あぁ、この人達には、私には見えない世界が見えてるんだな・・・」と諦念を感じました。

 

麻雀は、3種の数牌1~9と、字牌7種がそれぞれ4枚ずつ、という他のボードゲーム将棋や囲碁と比べて、範囲が狭いパズルです。

 

ただし、自分の手と、河の捨て牌以外は見えないので、相手の手牌読み→山牌読みというのが麻雀というゲームを奥深くしている要素です。しかし、手配読み自体、手作りにおける効率的で普遍的な考え方がベースになっているので、それをマスターすればすぐに中~上級者になれるはずです。トッププロになると、定石+3D脳による抽象的な思考をプラスして、確信を作り上げていくのだと思います。

 

で、私は手作りの効率が全く苦手で、いろいろ試行錯誤して奇手も打ったりしていたのですが、そこで立ちはだかったのが、天鳳というプログラムによる盤上支配です。

 

多くの麻雀ゲームでもそうだと確信していますが、麻雀ゲームソフト自体が、牌の偏りを意図的に作るということをやっています。例えば、自分がリーチをかけるべきではない場面においてリーチをかけてしまった(ミスをした)場合、他家のツモを機械的に良くして、追っかけリーチをかけさせる→自分放銃 などの流れを意図的に作り出します。

 

これだけで言うと、自分がミスしたんだから、文句は言いようはないのですが、一番きついのは「牌効率的にミスをする私の、ツモをわざと良くする」→「私が、調子いいじゃん♪と喜ぶ」→「何半荘か経過したのちに、ツモを激的に悪くする」→「それが続き、通しで見るとトータルで大きくマイナスになる」という操作です。

 

そうです、ミスをする私を「一旦上げておいて、落とす」のです。私は自分が未熟な打ち手だと自覚があるので、「いろいろ打ち方を試行錯誤して、あれはダメ、これは良い」などの判断を「統計的に」結論付けようとしているのに、そのトライアンドエラーのサイクルを妨害してくるのです。

 

結論として、天鳳ソフトウェアの魂胆としては、「打ち手の成長は知らん、勝手にやってくれ」「上級卓から、下手くそは絶対に排除する」というものだとわかりました。私は、下手なりにちょっとずつ上手くなろうと思ってやっているのに、そのチャンスをつぶすようなやり方に憤慨というか、絶望を覚えて、麻雀をやめてしまいました。

 

タイトルが「物理入門」で、なぜ麻雀に挫折した話をしたかというと、この世を見渡すと麻雀ソフト「天鳳」のように「一旦上げてから落とす罠」があふれてるからです。

正確には「人をエサで、ある道に誘導しておいて、大勢が喜々として進んだ後、しばらくして様子がおかしいと気づいたときには脱出不能な袋小路で万事休す」の型にはめ込むやり方です。

 

物理学も、「罠なんじゃ・・・?」と一抹の不安を感じたので、ちょっとモチベーションが落ちたのですが、いや、きっと物理学も何かの役に立つだろう、と根拠のない希望を胸にして、今日「高校物理」の教科書を新宿で買ってきました。

 

選んだ教科書は、やはりチャート式です。ぱらぱらと見ると、サイン・コサインが早めに出てきたので、数学の勉強を急いでいるところです。

 

やっぱり自分が住んでる宇宙に見られる法則を知っといたほうがいいよな、あと相対性理論もちゃんと数式で理解したいし、知りたいな、という気持ちを奮い立たせています。

 

もし、数学、物理学が罠であったら、それならそれでしょうがない、袋小路から元の道に戻るだけです。そういうこともあるだろうと思って、少しの?遠回りも良い思い出になると思います。

 

大丈夫、大丈夫。