ヤフーニュースで、チラリと記事を読みました。
サッカーの伊藤選手が女性に告訴された件で、ツイッター上で、アジアカップでイランに日本が敗れたことを「#週刊誌のせい」というハッシュタグを付けて怒りの盛り上がりを見せているようです。
それに対して、ある戦場ジャーナリストの方が、「サッカーなんて所詮球蹴り、女性蔑視問題の方が重要だ」というツイートをして、それが炎上しているようです。
そのツイート自体にはあまり興味はなかったのですが、
その戦場ジャーナリストの方が、自ツイートのリプライで、「スポーツ至上主義や女性蔑視にうんざりしていたので、あえて炎上するようなことをツイートしてみた」という趣旨のことを書いていて、「ほほぅ」と思いました。
「あえて炎上するようなことを」と来たか。
この件に始まったことでは無いですが、Youtubeでも、ツイートでも、「あえて炎上するようなことを言ったりやったりして」「注目を集める」というアクションがあるようです。
注目を集めれば、動画収益になったり、自分の声を拡大することができる。
なるほど、確かに利があるんだな、と納得しました。
この、「注目度(再生数)」にフォーカスを当てて、その背景はどうでもいい、問わない、という発想。
背景が、
「楽しい動画、ツイートでみんなで楽しもう」であろうと、
「悪意のある主張を拡散しよう」であろうと、
注目度が高ければそれでいい、それだけが目的だ、という発想ですね。
これって金と同じだなぁと思いました。
犯罪行為によって稼いだ金100万円も、真面目な商売で稼いだ100万円も、おんなじ「100万円」だ。
金さえあれば良い。注目度が高ければいい。
これって、とっても薄っぺらい感じがするのですが、ゲームとしてはとても優れているんですよね。
第一に、「わかりやすい」
金も、注目度(動画の再生数、ツイートの表示回数)も、数字としてばっちり決まりますし、それをみんな見ることができる。目に見えてわかりやすいです。
第二に、「善意の人も、悪意の人も、分け隔て無く参加できる」
本来なら、ある店とかで「マナーの悪い人はお断り」とか、あるいは、あるクラブとかで「麻薬やらないやつはお断り」とか、
善意の人と悪意の人が、一緒に、混ざって何かやるっていう環境は作りにくいものです。だって利害衝突してるんですもの。
しかし、「注目度」という「側(ガワ)」にフォーカスして、背景を問わない、というルールにすれば、
同じ箱に、利害衝突してるプレイヤー同志が混ざってワイワイできるという、一種の発明ですね。
ツイッターでは、この混合状態(フェイク・デマの混入)が問題視されていますが、
「いや、それがけっこういいんじゃないかな」と思ったりします。
確かに、悪意のあるツイートは、「嫌だなぁ」と思う人は多いと思いますが、
そのコストを払うことによって、「みんな一緒の箱でワイワイできる場が維持できる」という特殊なメリットがあります。
普通はこうはならないですよ。
例えば誰かの結婚式のお祝いスピーチで、「結婚は人生の墓場だ!ロッケンロール!」と叫んだら、多分、その人は退場させられます。
善意が求められている場で、悪意を丸出しにしたら、排除されるのが普通です。
でも、ツイッターでは、悪意を持っていても、排除されないのです。
これって、レアだなぁと思います。
資本主義のシステムでも、原材料費・人件費のコストカットして作った粗悪な商品を、まぁまぁな値段で提供して金儲けするブラック企業も、排除されないんですよ。
いや、確かに、従業員や消費者からすれば大迷惑ですけど、
そんなブラックな人も、市場で一緒にワイワイできるというのは、ある意味、貴重な場だなぁと思うわけです。
私は、ホワイトな会社だけ残った方が、都合がいいのは確かですが、
じゃあ「ブラック会社全部排除しよう」となった場合、
ブラック企業のトップとかを、ひとりずつ殺害する必要が出てくるじゃないですか。
それって、法律に触れるという問題もあるし、
何より、手間がかかってめんどくさいですよね。反撃されても確実に仕留めなきゃいけないから。それも数百万人規模くらいあるでしょう。
そういうめんどいことをやるくらいなら、
その前提ルールで、戦うなり、やりたいことを貫くなり、
やった方が、いいなぁと思います。
だから、ツイッターで炎上目的で悪意を拡散している人がもしいても、
「おぉ、悪意の背景で、拡声してるなぁ」
と眺めて、
「こいつはそうゆう奴なんだな、なるほど」
とポチっと信用を落としていけばいいと思います。
信用は落ちますよ。それはしょうがない。信用するに足らないんですから。
私に信用があるかは謎ですが、個人的には、悪意を拡散しようと思って日記を書いてるわけではないです、と言っておきますね。
悪意があるかどうかは、実際に、見ている人にどう映るかによって決まることですが。
結論としては、金も注目度も、けっこう良いツールかもしれないという話でした。