ヤフーニュースでは、ウクライナ支援している欧米諸国が、ウクライナと「停戦」を見据えた協議をした、とありました。
ゼレンスキー大統領は、支援を取り付けるために努力をするが、支援側との熱量の差を感じ、疲れている。さらに、ウクライナ政権と軍のコミュニケーション不全の傾向がある、との記事も読みました。
ウクライナは前線を押し上げることができずに、硬直状態でロシアと消耗し合っている状況のようです。
このジリ貧において、欧米は長期のウクライナ支援で自国経済が沈んでいくのを許容できないということなんでしょう。
この判断において重要なのは、ロシアがどのような案を飲むかです。
ウクライナ東部・南部のロシア占領地の境で線を引いて、「じゃあ停戦ね」と言うことをロシアが受け入れるかどうか。
ロシア側からすれば、ウクライナが退くのであれば、進軍を止めるメリットがありません。勝ち確定なら、いけるとこまでいく、ウクライナを併合し、政権はその成果を国内にアピールできるからです。
私の個人的な想像でいうと、ロシアは停戦案を飲まない可能性が高い。
そう思っているので、「ロシアの判断」が確定していない状態で、ウクライナと停戦の条件を協議するというのは、大きな希望的観測を含んだズレた行動ではないか、と思います。
実際には必要な情報をそろえて熟慮した上での判断かもしれませんが、もしそうだったら私のズレた意見は無視して頂けたらと思います。
欧米の懸念というのは2つあると思います。
・ウクライナ支援の経済的負担がきつい
・イスラエル・パレスチナ戦争から、WW3のような大規模な戦争に発展する可能性があり、最悪のケースを考えて自国の軍備を充実させておきたい
こんな感じじゃないでしょうか。
「欧米」と言って、大きくひとくくりにするのは乱暴ですが、彼らは本当に「目先の利益を追って生きていきたい」タイプなんだなぁと実感します。
力で支配して→有利なルールを敷いて→目先の利益を最大化するように生きていく
このパターンで動いているようです。
中国とかロシアとかグローバルサウスとか、欧米の力の支配が及ばない地域が興ってくる情勢において、決して相容れないイスラム過激派(もちろん欧米のルールは無視)との戦争の火種も起こってきている。
そういう不利な状況で、守りに入ろう、という流れでの「ウクライナ支援の先しぼみ」ルートの選択。
この行動パターンを、批判してもしょうがないです。日本が「みんなといっしょ」じゃなきゃ行動できないのと同じように、欧米も「有利なルール下で、目先の利益を最大化」じゃなきゃ行動できないし、したくないのでしょう。
欧米の判断・行動パターンをありのままで肯定する、それであるならば・・・
(計算中・・・)
やっぱり、ウクライナの支援は継続した方がいいですよ。
WW3のリスクなんて大したことないですし、それに直接的に対応するよりも、ロシアという負の雪崩みたいな勢いを放置して、ウクライナをジワーっと浸食する方が、逆にWW3の可能性を高めるだろう、と私は予測します。
「欧米は、押せば退く」という実例を生むからです。世界中の国や人が、「欧米はがんばって押せば、へこたれて諦めるんだ」という印象を持ちます。
このコスト、それによってリスクが高まること、を計算に入れていますか?
利益最大化ゲーマーにとっては、「旨くない案件」に対して、興味も無いし、さっさと辞めたいと思うかもしれませんが、自分が取った行動すべてに対して「どのようなコストが発生し、リスクが生まれるのか」という着眼を含めると、長期的な苦境でのベストな選択肢を絞り込むことができます。
繰り返しますが、ロシアの勢いを相殺する程度には、経済的に苦しくてもウクライナ支援を続けた方がいいと思いますよ。
よかったら試しにやってみてください。これが過去の歴史となったとき、振り返って「ああしてよかった」と納得できるでしょう。