ワグネルの動き

今日が5/7で、ワグネルがバハムトのウクライナ補給路に対して、大規模な攻撃を行ったというネットニュースを見ました。

 

プリゴジンは、数日前に「ワグネル部隊を5/10にバハムトから撤退する」と発表した矢先に、5/6に「短期間で制圧できる可能性がある」と追加のメッセージを発していたそうです。

 

5/5には、ショイグ国防相が「必要な武器と軍備の供給を継続するように」と指示したとのことです。

 

これを受けて、ヤフーコメントでは

・プリコジンの「弾薬が足りない、撤退宣言」は虚言(油断させるためのフェイク)

・プリコジンの宣言は本当で、カディロフ部隊との交代移行期間の時間稼ぎのための攻撃である

・プリコジンの宣言は本当で、手持ちの弾薬を使い果たす目的による攻撃

 

みたいな意見があって、どれが本当なのかわかりません。

 

私の見た感じだと、

①ワグネルは本当に弾薬不足に陥っていて、又、損害が許容範囲を超えていた

②プリコジンが強烈な不満を表明

③ショイグ国防相が、身内同士の政治的闘争が過度に熱くなっていることを察して、是正(協調せよ)の指示を出した

④攻撃のための、ある程度まとまった軍事物資がバハムトに届いた

⑤5/7に大規模な攻撃をした

 

って感じに見えるんですが、やっぱり本当は何なのかわかりません。

 

プリコジンは、今回の撤退宣言より以前に、ロシア軍の撤退による停戦を主張し始めたり、ニュースでは、「これは政治的な意味のパフォーマンスだ」みたいな報道がありました。

 

確かに政治的に不利を避けるためのパフォーマンスである側面はあると思いますが、政治的な意味だけで「負け(撤退)を受け入れる選択」を取るというのは、あり得ないと思います。

 

つまり、ワグネル全体での兵士の損耗が、組織維持も危ぶまれる程度に大きい、とプリゴジンが認識していた可能性が高いと思います。

 

プリゴジンは、このウクライナ戦争を、あんまり旨くないな、という認識にそこそこ前からなっていたんだと思います。

 

で、諦めて(負けを受け入れて)撤退します、では、自身の政治的な発言力にダメージがあるので、「弾薬不足だ!」と公にキレて見せた(おそらく弾薬も実際に足りてない現実があった)のだと思います。

 

結論としては、バハムト戦線においては、ウクライナがワグネル部隊に深いダメージを与えた、「ウクライナ側の戦果としてはまずまずだった」ということだと私は見ています。

 

ワグネルが退いても、チェチェンのカディロフ部隊が出ばってくるので、また気持ちを新たに、戦いが次のラウンドに進むということなんだと思います。

 

ニュースで、バハムトは要衝だけど、とびぬけて重要な地域ではない、というのを聞いたことがあります。

 

結局、前線を国境線まで押し上げるには、ロシア兵を損耗させ、戦争継続不可能に追い込む必要があるので、3歩進んで2歩下がる、でもいいから「ウクライナ側の損耗を最小限にして、可能な限りロシア兵を撃破する」というコストパフォーマンス重視の戦略が適しているように思います。

 

あんまり気長にやるのは私は気に入らないし、ウクライナ兵の負担も大きいのですが、バックアップしている欧米が兵器供与を出し渋り、妙な拮抗を維持しようとしているので、ウクライナとしてはその状況を受けて最適な行動を取り続けるしかないですね。

 

とりあえずロシアは国境まで(クリミアも)退いてくれないかな。ストーリーはそこを経ないと、続きが始まらないと思っています。