スシロー事件からの監視社会へGO

スシローで器を舐めたりベルトコンベアの寿司につばをつけたりした事件で、落としどころとしては、「変な奴が変な事をしないか監視カメラで見張らないとね」ということになりそうです。

 

くら寿司は、AI監視カメラを導入するとの報道を見ました。AIが不審な動きを検知するという現代風な対応ですね。

 

これ以外に対策が思いつかない、例えば、寿司を回転させるのをやめるとかありますが、それだったら普通の寿司屋と変わらないんじゃないかと思います。ただの「リーズナブル寿司屋」になってもあんまり独自性がなくおもしろくないんですよね。

 

回転してたらそんなにおもしろいかというとそうでもないんですが、注文したら寿司が流れてくるのはちょっと面白いと思います。気を抜いてても、寿司が向こうから流れてくるので、リラックスしてワイワイ食べられるところが良いと思います。

 

で、活躍するのはやっぱり監視カメラですよ。

 

監視カメラの役目は、もちろん不審な行為を見張るためですが、副産物的に、お客の様子がわかるんですね。

 

話は一旦寿司から離れますが、お客の「顔認証」と「行動」のセットのデータが手に入ると、「誰々がこういう行動をした」という情報が蓄積できると思います。

 

その行動が法に触れるかどうか、のものさしだけでなく、例えば「誰々が電車を駆け込み乗車した(私もたまにやります)」とか、「ファーストフードばっかり買って食べてる」とか「夜の渋谷で道端に座ってだべってる」とか、個人の行動様式が把握できるんですね。

 

この一見価値の無いようなジャンク情報を蓄積することで、今度は統計的なプロファイリングのようなフィルターに通します。

 

その過程を経て、個人の頭の中、思想、趣味、行動の傾向を把握します。これにはある程度の分析ソフトウェアの洗練が必要ですが、技術的にはそれほど高度じゃなくてもいけるでしょう。

 

回転寿司では、「犯罪行為を発見、防止するために監視する」という入り口ですが、実態としては、期せずとも必然的に「個人の観察」をやっているわけで、それをまず社会的に当たり前にすることで、じゃあそこで得たデータを活用してみようか、という第2ステップへとスムーズに移行できそうです。

 

私のように監視社会を歓迎する人は、あまりいないかもしれませんが、実際やってみると、色々な副産物が、レンコンのように数珠繋ぎで獲得できる強い一手です。

 

日本のように人の評価が減点方式で、「減点されないことが正しい」とまで考えられている風土においては、減点マシーンとして監視網の導入に関してはある程度ハードル低くいけるんじゃないかと期待しています。

 

スシロー問題に関しては、回転寿司のビジネスが廃れないように、技術と工夫で乗り越えて欲しいです。