エコノミスト

Youtubeのリハックチャンネルで、司会の方と、河野龍太郎さんというエコノミストの方のゲスト対談を観ました。

 

河野さんは、世界的にも有名なトップアナリストの方らしく、風貌は普通のおじさんなのですが、

 

話を聞く限り、かなり物事を整理して、丁寧に理解している「つわもの」の印象を受けました。

 

で、じっくり話を聞いていると、

 

アメリカ景気は依然強い(家計のバランスシートが健全だから)

・日本は需給ギャップはすでにプラス状態(=需要が強い)(人手が流動的でないため、構造的に人手不足になって供給が追いついていない)

 

のような、私のような初心者が聞いても、特に違和感を感じない、精度の高い素直な分析だなと思いました。

 

おそらく、分析の精度、というか着眼点としては、的を得ている(他のエコノミストと比較した場合)と思います。

 

ただ、ひとつ疑問だったのは、アメリカの家計バランスシートが健全である原因が、

 

・米民主党政権によるコロナ渦における大規模な財政出動

・コロナ渦での消費控えによる蓄財

 

だと河野さん自身が説明されていましたが、

 

この潤沢なマネーの根拠は、「アメリカ政府の多額の借金」ですよね。

 

で、今は金利がかなり高い状態で、河野さんは、「今後、利下げのタイミングが数回あるかもしれないが、その後再び利上げされる契機が来るだろう(来年末には金利7%台)」と予測しているようです。

 

アメリカ政府の借金が巨額であり、かつ、金利も高いとなると、アメリ財政破綻のルートに乗りますよね。

 

つまり、結果としては、アメリカ政府はそのルートを拒否して、5%以下水準の利下げにいく(いかざるを得ない)状況になるはずだ、と私は思います。

 

河野さんは、当然、アメリカの借金の大きさについて知っているはずです。

 

そして、金利が高ければ、その負担も巨大になることも当然わかっているはずです。

 

しかし、そのことに全く触れずに、あたかもその「支払利息負担が無い」かのような話の進め方をしているので、

 

「おやっ?」と不自然に思いました。

 

これは、おそらく2つ可能性があって、

 

アメリカ経済にとって都合の悪い点を認識すると、米金融界で生きていけない

 

あるいは

 

エコノミストたるもの、「巨大すぎる・都合の悪いリスク」は無視する(ネガティブは経済上害悪なのでポジティブを基本にする)のが正しい姿勢である

 

という、「しがらみ」or「業務上取っているフォーム」からかな、と思いました。

 

なので、河野さんの見ている角度、分析は、非常に説得力があり、聡明な印象を受け、プロ中のプロだと思いましたが、

 

私は、アメリカがこれ以上利上げすることは「無い」と予想しています。

 

アメリカが利上げすると、私の個人的には稼ぎが増えて都合が良いですが、

 

日本の物価が上がって、そっちの方が困るんですよ。一日本市民として。

 

つまり、私の都合とは関係なしに、利率7%は、明らかにアメリカ経済が破綻する・できないだろうと予想します。

 

アメリカは爆走状態ですが、その背景は、大量に供給されたマネーあってのことなので、

 

前にも日記に書きましたが、「大量のマネーがジャブジャブ流れると」「金融政策の効果が低減される」と思います。

 

何やっても効き目が小さくなる。打つ手なし。そういう困った状態が、将来的に来るだろうと思います。

 

MMTは、その犠牲を払って、経済安定していると錯誤するための理論だということです。

 

さあ、当たるかな。

 

おわり