質問の妙

質問というのはかなり面白い存在です。

 

どのように面白いかというと、そこから色んな情報が得られるという点で、文章の文字数当たりの情報獲得量がグンと上がります。

 

質問を投げかけて、相手が答える場合もあるし、あるいは無言を貫くかもしれません。無言を貫いても、それが答えとなり、答えがゼロでも、f(x)=0のf(x)を覆い隠すことは不可能です。

 

もちろん、何らかの内容のある答えを出せば、それに応じた情報が入ります。そして、質問を投げる側の人間の情報も引き出せるので、お得感があります。

 

例えば、プーチンが10/14に記者会見しました。

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記者「プーチン大統領、(ウクライナ侵攻について)後悔はしていませんか?」

プーチン「していない。はっきりさせておきたい。今起きていることは控えめに言っても不愉快だ。しかし遅かれ早かれ同じことが起きていたし、最悪の状況になっていただろう」

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まず、記者の「後悔していませんか」の質問は、あんまり情報が引き出せないですね。

 

①本当は後悔してる/していない

②ウソをつく/つなかい

③後悔していようがしていまいが意思決定に影響しない/影響する

 

ざっと挙げただけで、3つの元に分類できます。これは「質問を投げる場合においては」多い方です。

 

①と②で、2×2の4パターンあるし、答えの内容によって、事実を特定できません。さらに、③の要素により、5割の確率で、「本当に後悔しているかどうか」の真実自体が、「どうでもいい」可能性があります。

 

最初に書き忘れましたが、私が欲しがっている情報は、「作用」に関する情報です。よって、後悔しながら人を殺す人も、喜々として人を殺す人も、戦争というカテゴリにおいては、同じくらいの評価を下します。

 

心理的に紆余曲折経て~」(←どうでもいい)・・・結果的に「将来どういう行動をし、世界にどのような影響を与えるのか?」(←重要)という評価基準です。

 

もしも、記者が「みんなが共感できる人間臭さがプーチンの中にあるのかな?」という意図であったなら、こういう質問も意味があると思いますし、おそらくそういう意味で投げた質問だったんでしょう。

 

もし私だったら、プーチンにこう質問します。

 

「あなたは自分を救えると思いますか?」

 

これで、プーチンの確信度合いがわかります。作用の点で情報収集する際には、人間は動くボールみたいなものなので、どのくらいの勢いでどの方向に飛んでいくのか、が重要ポイントになります。

 

強く飛ぶなら強く叩き潰すし、弱く飛ぶなら普通の強さで叩き潰せばいいな、という意志決定に繋がります。

 

では次に、プーチンの答弁から得られる情報を獲っていきます。

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記者「プーチン大統領、(ウクライナ侵攻について)後悔はしていませんか?」

プーチン「していない。はっきりさせておきたい。今起きていることは控えめに言っても不愉快だ。しかし遅かれ早かれ同じことが起きていたし、最悪の状況になっていただろう」

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「後悔はしていない」と断言し、「遅かれ早かれ同じことが起きていた」という点から、プーチンが独自に未来予測をして、避けられないルートであるという確信を以て行動に移している、という表現になっています。

 

まぁ、元スパイですので、これは額面通り受け取ってもいいんじゃないかと思います。後悔は少しはあってウソをついているかもしれませんが、「確信」についた「シミ」程度のものに留まっているだろうな、と、プーチンの経歴と照合して推測しました。

 

「今起きていることは控えめに言って不愉快だ」

ここからは、プーチンは「何か事象が起こって」「それに対してパッシブに印象を受ける」形式をとっていることがわかります。

 

人間ならば当たり前のようですが、「プーチンのような独裁体制の意思決定者が」サイコロを振って運を天に任せるような感覚を持ち合わせているというのは当たり前のことではなく、やや重要な情報です。

 

ウクライナ派兵部隊の統制も、きちんとしていないようですので、ますます、やっぱり運を天に任せてるな、という印象を持ちました。

 

引き出せる情報はこんなもんですね。重要ポイントである「確信度」は、元スパイらしく、ある程度高い水準で、「制限が強くかかった方法論で」あとは「適当に運を天に任せて」進んでいく、という見通しですね。

 

こうなると、やっぱりある程度強く叩かないと、諦めないでしょう。

 

ウクライナの人とか、みんながんばって、耐えて、ある程度煮詰まったらぶったたきましょう。