未来の人間社会の構想 その1

未来の人間社会を構想しよう!のコーナーです。おそらく妄想も多分に含みますが、個人的に興味があるのでやってみます。

 

基本的に人間社会は、多くの要因による複雑な作用の結果であると捉えるのが自然で、「結果」をいじくるのではなく、その根本を洞察によって見極め、根治して改善していく、というのが理想的な志向ですが、ここには問題があります。

 

その問題とは、まず社会制度や人の思想を変えるということは、それ自体嫌なことなんですよね。「変わると、短期的に損をすることが明らかで嫌」「今まで通りじゃないやり方は不得意でストレスになる」あと「今までの自分を否定することは許容できない」とかゆう理由でみんなの心に抵抗があるということです。

 

そのため、その心の抵抗を和らげること、つまり社会における合意(コンセンサス)を得ることが必要になってきます。で、この合意を得ることに対する技術が未発達である点と、あとその合意自体が政治的に意味を持ってしまう点から、かなりハードルが高くなっています。

 

なので、もう「みんなの合意を得て根治シナリオ」はあきらめたほうがよさそうです。他のアプローチとして、「人間社会の最終形を示して、その絵に合わせていく」というやり方があります。みんなの納得は特に求めずに、「とにかくあの旗を目指せ!」と既存の命令指揮系統を使って、誘導していくのが良いのではないかと思います。

 

地球温暖化対策なども、「よく内容の詳細はわかってないけど、とりあえずみんな行けー!」みたいな感じなので、確固たる数値目標に向かって、意味を深く考えずに前進していくのが、「現実的」なやり方だと思います。

 

で、命令を出す側は、「もしみんながその目標に向かって行った場合、実際的にどのような社会的なインパクトがあるのか」について、あらかじめ未来予測をしておくという準備をします。

 

私がまず思いついたのは、「全産業の機械化率規制」ですね。昨今の経済発達のためにはオートメーション化による生産性増大が欠かせない感じになっていますが、機械というのは(色んな理由で)壊れることがあり得るし、耐用年数もあるので、私個人的には、あんまり機械化したくないです。機械に依存する形はリスクがかなり高い、というニュアンスです。

 

例えば「仕事の意思決定にAI導入しました!」ゆって、「前よりも収益上がったな、大成功だ!」となって喜んでもいいのですが、もし「AIにセキュリティの穴があり使えなくなりました!」となったら、マンパワーはみんなその仕事の素人集団になって、けっこう致命的ですよね。

 

あらゆる機械装置に、人は依存してしまう(依存するために機械は作られてる)ので、これは規制した方がメリット大きいと思います。

 

機械に頼れる部分を意図的に絞ることによって、じゃあ他の仕事はマンパワーでやらなきゃな!となり、人間が技術を身に付けるしか他に道がなくなるように仕向けるのです。その技術習得を通して、技術だけでなく人格形成にも良い影響が出ると思います。

 

これは、目先の生産性としては、フルオートメーションにするよりも、低くはなるんですが、機械がダウンしたときのリスク対応や、人間を大事にして育てる文化の発達、機械運用コストの減少など、トレードしがいのある利益が見込めると思います。

 

よって、機械投資額か、機械投資率にある程度規制をかけて、できるだけ機械に頼らない社会を作ろう!という風に誘導するのは良い策だと、私は思っています。

 

これを契機に、「経済成長主義」が持つ意味の見直しがなされ→「みんなの思想の変化」という、冒頭であきらめた目標が期せずして達成される、こともあり得ると思います。

 

これは、もし日本が専制主義の国になれば、十分実行可能な気がします。