ヤフーニュースで、維新の会の橋本徹さんが、テレビでNATOがウクライナ前線に派兵しないことを批判していたようです。
私は、NATOに責任があるかどうかはさておき、派兵してロシアを押し返した方が、全体にとっての利益に適う、と以前の日記で主張しました。
橋本さんの言う「NATOには、開戦に至ったことに対する責任があるから、派兵すべき」という意見とは違くて、私は、長い目で見たら派兵してロシアを押し返した方が(ロシアにとっても)得だから派兵すべきという意見です。
しかし、コメントを見てみると、「もしNATOが派兵すると、第三次世界大戦になるからそれは避けるべきだ」といった意見が少なくありませんでした。
うーむ。なぜそんな発想になるのか。価値観というか発想の違いでしょうか。
もう戦争は始まっているので、「核を撃たれたら怖いからやめておこう」とかいう発想はあり得ないですよ。それを言うのならば「戦争すること自体、絶対に反対」という方がわかりやすいし、おそらくヤフーコメントの方たちの感情を正確に表現した言葉でしょう。
ロシアはもちろん、西欧も戦争という手段を捨てきれる状態ではないので、臨戦態勢になったら、その状況に合わせたマインドセットが必要になります。
第三次世界大戦、というのは戦争の規模がめっちゃ拡大する、という現象だと思いますが、戦争の規模が大きかろうが小さかろうが、勝つことが目的であることに変わりありません。規模が小さいに越したことがありませんが、規模が大きくなるから意思決定に影響が及ぶということはないと思います。
ロシアからの核攻撃が怖いったって、戦いの場に入ったら、「上等、撃ってこい。何をしてこようが我々が必ず勝つ」という思考の人じゃなきゃ、プレイヤーとして土俵に立つことができないんですよね。
私も、例えば自宅近辺に核兵器を撃ち込まれるのはめっちゃ嫌だし、もし撃たれたら、焼け死ぬか、もしくは地上の地獄を体験することになるでしょう。それは怖いし、大変不幸なことですね。
しかしだからといって、それが戦争における意思決定に何か影響を与えるかというと、全く考えないんですよね。戦争は勝つことが全てですから。もし核攻撃を受けるなら、そのダメージに耐えつつ、いかにして相手を迅速に機能停止に追い込むか、という頭になっていないと、実際的に勝てないと思います。
ロシアはもう侵略戦争というカードを切ってしまったので、このカードに依存していくのは間違いありません。ウクライナを取って、その後ロシアは止まらないですよ、もう自分自身を止める手段を持っていないのですから。
そういう相手に対峙したとき「核戦争や第三次世界大戦が怖いから戦いを避けよう」とかいうのは、ある種の現実逃避的な発想だと思います。
相手を無力化するというのは、何を意味するかというと、「プーチン的な発想をする人を絶望させる」ことです。「あぁ、もう無理なんだな」と理解させることです。
そのために、「核の脅し」をそよ風のように認識する必要があるし、「侵略してみたけど、反撃にあって失敗した」この結果を突き付けることが必要だと思います。
現在、NATOはウクライナに武器・兵器を供給しているようですが、私の読みでは、ロシア勢優位で推移すると思います。
その結果を受けて、NATOも派兵を決断する可能性はありますが、その時ではなく、今やった方が絶対に効果的です。ウクライナ人の犠牲を払って、戦況も悪化させるという悪手を客観的に評価できるようになったほうが良いです。