囚人のジレンマについて考えてみた

ブログを書きたいな、と思ったけど考えるネタが全然ないので有名な「囚人のジレンマ」について考えてみます。

 

囚人のジレンマとは・・・

2人の銀行強盗が逮捕されて、別々の取り調べ室に連れていかれた。

警察が2人に対して、次の条件を出す。

 ・お前は罪を認めるか、黙秘するか選ぶことができる。

 ・ひとりが罪を認めて、もうひとりが黙秘した場合は、

   黙秘した方に2人分の懲役刑を与えて、認めた方は釈放だ。

 ・2人とも黙秘すれば、2人とも本来の懲役刑を半減してやる。

 ・2人とも罪を認めれば、2人とも本来の懲役を与える。

 

上記の条件で、「犯人たちはどちらの行動を取るのがベストか?」を考えるのが囚人のジレンマです。

 

協力して黙秘すれば、刑が半減される(協力によるメリットが確かにある)にも関わらず、

 

お互い相手の情報が無く、相手の行動が自分の利害に大きく関わってくるという状況におかれると、

 

人間は自分の利益を追求して相手を裏切って(罪を認めて)しまいがちになるという教訓が得られるというものです。

 

なるほど~。しかしすんなり受け入れずに、実際のところどうなのか考えてみたいと思います。

 

まず最初に「2人の銀行強盗が」と言っているので、2人ともクロなんですね。

クロだとわかってるのに自供を得るためだけにこんな条件を出す警察ってどうなの?、というツッコミがありますが、前提条件として犯人が「自分と相方」の罪を「自覚している」というのは重要なポイントですね。

 

さて、条件を犯人の立場で整理すると、

 

・黙秘した場合・・・懲役刑が半分になる、又は2倍になる

・罪を認めた場合・・・懲役刑が1倍になる、又はゼロになる

※それぞれ、前者が「2人が同じ行動を取ったとき」後者が「2人が異なる行動を取ったとき」に該当。

 

これプラス、犯人2人は、「2人がお互いに立場が同じであることを知っている」ことを知っているという状況です。

 

まずパッと見て、罪を認めた方がメリット大きいような気がするんですが、気のせいでしょうか。

 

黙秘すると刑の半減という「まあまあ」な結果が期待できますが、2倍になるリスクがあります。一方罪を認めると、懲役刑がゼロになるチャンスもあります。

 

仮に相手がサイコロで行動を決めると仮定するなら、「罪を認める」が最善手となります。え~これだと教訓が得られないじゃないか。

 

教訓と私の考えが合わない原因を考えたら、わかりました。

 

教訓においては、「自分だけではなく相手の刑が軽減されたら嬉しい」という価値観の犯人のようです。いいやつだ!

 

私は、最初から自分の利益しか見てなかったので、教訓におけるダメなパターンを迷わず選択している状態だったのですね。

 

つまり、この教訓を発してる人の頭では、「理想をいうと自分と他人の利益を共に追求するのが善」という価値観があるということです。

 

この価値観は私とはちょっと違います。

 

私は、個々人が「自分の利益」を追求することで、全体の利益につながると思っています。

 

利益追求の仕事にのみ言えば、他人のおせっかいは不要ということですね。

それぞれが自立して、自分の能力でもって自分の利益を達成する、という形が私の理想世界です。

 

もちろん、自分でどうしようもないことは助けたり、助けられたりを否定するものではありません。

 

「やむをえない場合に限り」助け合いましょう、というのが良いです。

 

この囚人のジレンマの場合、最悪の懲役刑2倍は、相手が罪を認めるという行動を選択すれば避けることができます。

 

仮に最悪が「死刑」で、しかもそのトリガーの100%が自分の選択次第、となると「かわいそうかも」という発想が生まれることは肯定しますが、

 

今回の場合はそれに当たらないので、相手のことを心配する必要は全くないです。

 

もしかしたら、相手は「懲役刑2倍のリスクがあったとしても半減を狙いたい」というちょっと変わった発想をする奴かもしれないし、それは相手におまかせでいいです。

 

相手と自分の「立場」は同じでも、相手がどういう価値観を持ってどういう思考でもって判断をくだすかについてはブラックボックスです。

 

相手が自分と同じ思考をするとは限らない、そもそも価値観からして違うかもしれない、そんな状況で、ブラックボックスをクリアにすることは不可能でしょう。

 

「相手が黙秘して、刑を半減できるかもしれない」というのは一つの可能性に対する願望であって、

 

「今ある状況下における最善手とは何か?」という推論とは関係ないです。

 

希望を抱いても抱かなくても、それによって最善手が変わったりはしないということです。

 

素晴らしいゴールが先に見えていても、今回のように、その道が断崖絶壁の上にあるとなると、避けて、しょぼいゴールに向けて安全な道を進むのがベストです。

 

「相手もそう思っているだろう、いや違うかもなぁ?」とか考えながら、自分の利益を追求する一打をうち、2人して1倍の懲役刑を食らうのが一番良い選択だと思います。

 

結論・・・囚人のジレンマにジレンマはない!

 

こんな感じになりました。頭の体操にはなったので良かったです。