以前、アニメ化された「葬送のフリーレン」を観た後、スマホで原作漫画を1話ずつ読んでいるんですが、
そこでフリーレンは、「魔族(敵)を欺くために」「常に自分の(膨大な)魔力をセーブして、弱く見せている」という話がありました。
原作では、そのことを「魔法使いとしてあるまじき卑怯な行為」として描かれていましたが、
私にとっては、「それって別に普通じゃないかな」と思いました。
というのも、「力の保存」としての切り札は、多く持っていた方がいいからです。
よく「切り札は取っておくものだ」と言われますが、その意味は
「自分の力を、無駄に消費しないで、蓄積するのがいい」ということです。
リソースのことを言えばわかりやすいですが、
自らの力を、すべて消費して、例えば「金儲け」に全振りしてしまうと、
その人は力が大きいのならば「大金持ち」の「有利な立場」を得ることができるんですけど、
これは「リソース」を「実利」に変換している行為です。
実利は多く得られるけど、状況が変わったときに、余力がなくて頓死ルートになります。
フリーレンで言うと、自分の魔力を常に全開にして、高度な大魔法で敵を倒しまくっているようなものです。
「それで、多くの敵や、強大な敵を倒せるのだから、得(勝利)があるじゃん」
「だから、その得はできるだけ最大化した方が幸せじゃん」
という発想があるかと思いますが、
これやると、「実利」は手に入るのですが、「リソース」がなくなって、
「どんずまり」「追い詰められている」状況でもあると言えます。
「未知の今までの戦法が通用しない強敵が現れたらどうなるか?」を考えたらわかるでしょう。
答えは、「打つ手なしでゲームオーバー」です。
「多くの利を得ている、強大な富豪」のようであっても、リソースを使い果たしているのならば、「崖縁に追いやられている」「困窮者」ということです。
なので、基本的にリソースは蓄えておいた方が圧倒的に安全圏内で有利です。
「もしもやばいときに」、取って置いた切り札を切れるという強さがあるからです。
なのに、世の中の人は前者であるケースが多くみられます。
それは「困窮者」からスタートしていて、「実利を得ても」ずうっと「困窮者気分」のまま、常に崖っぷちで追い込まれているから、
「有利を追って、利益最大化するしか道がない」のだと思います。
女性性の話でも振れましたが「最初からずっと不幸で」「それは解決されない」「けど不幸をキャンセルしたい」というエンジンを運用している人は、これは自然なことなんだと思います。
なので「切り札は取っておくべき」という一般論が、すべての人に当てはまるかというと、そうではないですね。
もしも、今「困窮していないのであれば」「(リソースのマージンを増やして)切り札を取っておくこと」をオススメします。
全員が全員、困窮していて、気を紛らわすために実利を最大化する世界は、あまり住みやすくないだろうなと思います。
住みやすくないのが通常営業なのかもしれませんね。
おわり