NHKの7時のニュースを見て、トランプさんが大統領就任直前の今の段階で、いろいろ豪腕を振るって「ジャイアニズム」を発揮していることを知りました。
ひとつは、「グリーンランド(現在はデンマーク自治領)をアメリカの支配下に置くこと」
もうひとつは、「メキシコ湾の名称をアメリカ湾に変えること」。
私は「なるほど、わかりやすい形でのジャイアンだな」と、思いました。
トランプさんの良いところは、「意図をちゃんと表に出す」ことです。
比較的卑怯な人って、「本音を隠して、他者から読まれないようにして」「表ではニコニコしつつ」「誰かを蹴落とす」という陰湿なことをやりがちので、
こういう卑怯さを持ってる人って「私は普通にやってたら勝てませんよ」という宣言をしているのに等しいので、
一般人が卑怯でも別に何も問題はないのですが、
国の、しかも大国のアメリカ大統領となると、「横綱相撲を避けているようでは」「頼りない、求められる程度の水準に達していない」というジャッジになります。
で、トランプさんは「グリーンランドはオレのものだ」「メキシコ湾もオレのものだ」「パナマ運河もよこせ」
という、一見わがままな演出をしているのですが、
トランプさんはバカじゃないので、「強いアメリカ」しかも、「わかりやすく強く見えるアメリカ」をアピールすることによって、
アメリカの有権者を鼓舞すること、自身の支持を強靱にすることを、目的としているのだと思います。
もちろん、「魅せる」だけのパフォーマンスはMUSTとして、
その裏には現実的な計算がちゃんとあると思います。
グリーンランドは資源国であり、かつ、ロシア・中国が影響力を持とうと工作しているという背景があっての、
ある意味「やむを得ない・受けの形での」「グリーンランドの陣取り行為」であるという側面があります。
普通の人だったら、「デンマーク首脳に対して」「対ロシア・中国との対抗の枠組みを強化するために、グリーランドの陣地としての防衛の協力体制を強化しませんか」
という、礼儀正しい、正着を淡々と打つ感じになると思いますが、
これだと、「ロシア・中国の後手に回っている、『被害者』のような振る舞い」にも見えてしまうので、
トランプさんに言わせると、おそらく「かっこよくない」。
いかに「強いアメリカ」を演出して、鼓舞して、勢いを持つか、というためには、
「ロシア・中国なんて関係ない、グリーンランドもメキシコ湾も、パナマ運河もオレが欲しいからオレのもんなんだ!文句あるか!」
というスタンスの方が、好ましくなる。
この辺はトランプさんの政治家としての計算でもあるし、同時に、おそらく本心から「自分はそうしたいんだ」と思っているのでしょう。
なので、トランプさんの良いところ、「非常にわかりやすい形で」「ちゃんと己を出して、オープンな場にさらしている」という誠実さを感じます。
そういうのを見ると、
私とかは「OK、わかった!じゃあこちらも誠実に、トランプさんと手を抜かずに対峙しようか」という気持ちになりやすいわけです。
他の多くの人も、そうなんじゃないでしょうか?
確かに「わがままジャイアン」はやっかいですが、
向こうは「オレは横綱だ、どっからでもかかってこい」と言っているわけですから、
こちらも「よっしゃいったろうかい」と姿勢を正すのが礼儀かなと思います。
日本は、アメリカ目線で言えば、「駒」扱いになると思いますが、
「駒としてでも活路を見いだすけど、駒が駒として機能するために、必要なことは強く求めるからな!」
という感じで、自分のこと(活動域・使えるメソッド)の枠内において、きっちり機能性を持つということを主眼に置けばいいんじゃないかと思います。
これはアメリカとの関係性における優劣の話ではなくて、
いかに自国を律するかのテーマになると思います。
おわり