マクロンさんの一手

マクロンさんが、習近平と親密にして、中国と関係を強化するために「台湾問題は我々の問題ではない」等と発言した件について。

 

ポーランドのモラウィエツキ首相が「マクロン大統領はEU製品の中国での販売を伸ばそうと、地政学的に大きな犠牲を払って、近視眼的に中国に依存している」と批判したとのこと。

 

私はツイッターで、「中国に対して態度を硬化させるのみではなく、習近平に「西欧との闘争だけではなく、平和共存の道もある」という選択肢を示し、判断する機会を与えた点で、価値がある」と書きました。

 

今回のポーランド首相の批判については、「近視眼的」とのことですが、私の見るところによると、マクロン大統領はそれほど目先の利益を追っているようには見えないですね。

 

フランスは、年金問題で、今デモとかストライキが大きくなり、それをなだめるために、経済的浮上案である中国関係強化かもしれませんが、その意味がメインには見えません。

 

マクロンさんは、プーチンに対しても「正気に戻って欲しい」旨の発言をしていたように思います。

 

彼(マクロンさん)は、「もし正気な人なら、自分が想定する見本通りに振舞うはずだ」という彼なりの判断を持っているように見えます。

 

「政治家、それも国の長であるならば、こうするのが正しい」という確信です。

 

この確信自体は誤っている可能性が高いですが、マクロンさんが単純な金勘定だけで、中国と関係を強くすると発想していることは、まぁありえないと思います。

 

彼は、中国の長である習近平も、「正気ならば、正しく在るはずだ」という期待を持って、中国に近づいているのでしょう。

 

彼なりの勘違いを含む確信を持って、中国に対して態度を軟化させ、それが勘違いが元であっても、習近平に第二の選択肢を示した点で、私は良いことしたな、と思っています。

 

ヨーロッパの主流は、中国憎しなんでしょうか?この辺がよくわからないのですが、中国と友好的な関係を持つことは現実的じゃないと思っている欧州人のスケールがわからないので、何とも言えません。

 

中国は、大陸の国なので、基本的に誰が相手でも、攻撃の圧を緩めることはしないでしょう。

 

それは、「どこどこまでも手を拡げるぞ」という意志表示ではなく、「(中国が)生き残るために謀略を尽くし続けなくてはいけない」ような、「そういう生き物」なんだという理解が適当だと思います。

 

中国が繰り出す謀略のナイフを素手で止めて無力化した上で、笑顔で握手する、ということは不可能ではないと思います。

 

中国を脅威だと思っていたら、それはできないかもしれませんが、私は中国をあんまり怖いと思っていないので、そんなに相手を大きく見なくても・・・と思います。

 

不信感が募ると、相手が巨大な悪の像として、現実よりも過大評価する→戦争になる、というパターンを潰していくことが平和に繋がると思います。

 

中国人だって人間なんだから、仲良くできますよ。