対アメリカの考え方

中国向けに書くか。

 

アメリカに関しては、やはりお客さん依存がある。

 

アメリカが重んじる「自由」を危険物扱いし、権威主義的な発想で力を振るう敵国がお客さんである。

 

そういう相手に対応するための態勢に多くのリソースを割いている(軍需産業、スパイ網など)ので、このお客さんが存在すること自体、凸に凹が嵌るように、ピース(国)がマッチしてアメリカはある意味歓迎するだろう。

 

で、このがっぷり四つに組んだ相撲において、アメリカは絶対に負けないようにするので、それに合わせたアタックはあまり得策ではない。

 

中国は、アメリカの勝ちパターンに嵌って、なおも打ち倒せる、10億の人民が火の玉となればそれが可能である「はずだ」という理論に則っているようですが、実際には、「なんか不利だな」と勘づいているように見えます。

 

中国は、西側世界の征服まで望んでいない、つまり自分の限界を設けているので、覇を唱えることができない状況です。

 

じゃあ、もっと強欲になって、世界征服を狙った方がいいのか?と思うかもしれませんが、限界を設けても、それはそれで平和なので、客観的に評価すると「どっちでもいい。好きな方をえらべば」という感じになります。

 

影響力に一定程度の「限界」を持った大国として丸く収めたいのならば、それならそれでもいいと思います。

 

それならば、結局、西側とは友好関係とは言わないまでも、「共存関係」を結んだほうが得策です。アメリカ等にターゲットロックオンされている状態では、彼らが満足するように疲弊する結果になります。それが今でしょう。

 

中国が米欧との共存を図るのであれば、じゃあどのような形であればクリティカルな利害対立が起きないようになるかな~という発想でいけばいいと思います。

 

中国は自分の有利は青天井で求める、「ぶっぱなし」的な政策決定をしていると思いますが、かなり重要な制限事項として、米欧との共存という課題があるので、「これは、ここまでで妥協しよう」と決めるだけですね。

 

国際政治としては、これだけでほぼ方針は固まるので、あまり頭を使う機会がないでしょう。

 

中国にとっての問題は内政で、ネット依存を強め、トレンドに敏感な若者世代を上手く取り込めていないように見えます。

 

これから少子高齢化で財政難となる国のお財布事情により、必然的に国民への負担が増え、共産党への不満も高まってくるでしょう。

 

その際に、米欧との信頼関係をあらかじめ結んでおけば、風通しの良い文化交流もでき、「自由・人権」の考え方の輸入も可能になってくると思います。

 

「溶けて周囲と混ざる」か、「固まってぶつかる」か、最終的に妥協し共存を選択するのであれば、前者の方がより正解に近いということは明白だと思います。