【近況連絡ダイアリー5/31】カスハラ-お客様は神様

ヤフーニュースで、三波春夫さんが初めて言ったフレーズ「お客様は神様です」についての記事を読みました。

 

その真意は、お客を立てているのではなく、「観客の前に出ることを神前であるように捉えて、襟を正してきっちり歌う」ことを表した意図だったそうです。

 

つまり、歌手としての自分を律する言葉だった。

 

で、その言葉がお客さんにとても喜ばれて、その後たくさん手垢がついて、「お客様は偉い」という意味に曲解されていった、とのことです。

 

なるほど、お客は、お客と言うだけでは、確かに偉くはないかもしれませんね。

 

ただ、私も最近、某企業のサービスに不満を持った身として、思ったことを書こうと思います。

 

まず、お客が店側の人をなじったり、怒鳴ったり、暴力をふるったり、そういうのはアウトなんですけど、

 

それがアウトであることは一旦横に置いておいて、「なぜ客が怒ったのか」について、もうちょっと考えるべきだと思います。

 

そもそも商売は、お客の需要に対して、サービス・商品を供給することによって、対価を得る営みです。

 

例えばホテル宿泊でも、ホテルマンとしての商売上の仕事とは、

 

部屋を整えて→チェックイン手続きをして→泊まってもらって→チェックアウト手続きをして→また部屋を整える

 

ではないと思います。

 

仕事は、「お客の需要を満たすこと」であって、部屋を用意して運用することは、その手段でしかありません。

 

お客は自分の需要が満たされて、「うん、ありがとう」と思って、「料金を支払います」というのが商売の基本の流れです。

 

しかし、会社の経営者がブラックな場合とか、あるいは、コロナ渦でサービスの提供が制限される場合とか、

 

いろんな理由で、「お客の需要を満たすことができない」場合ってありえます。

 

そういう場合は、店側としては、「ご迷惑をおかけして(あなたの需要を十分に満たせずに)申し訳ございません」という態度になるのが自然です。

 

だって、対価を得られるだけのサービスを十分に提供できていないんですから。

 

そういう「お店側からの『申し訳ございません』」は、「お客は店より偉いから、そうすべき」というわけではないんです。

 

「店側が、契約(需要に対して供給することによって対価を得る約束)を果たせていない」ということに対する、謝罪なんですよ。

 

なので、例えば店の「バイトの子」とかは、

 

マニュアル通りに、「コロナ渦だから、マスクしてください」とか「食べるときも黙食してください」とお願いしますが、

 

バイトの子が「それが社会やうちの店のルール・やり方なんだから」「お客さんは従うのが普通」「私はマニュアル通りの作業をするだけ」みたいな態度でこられると、

 

お客側は、「うん、店のルール云々についてはとりあえず置いといて、『俺、需要満たされてないんですけど?』」っていう問題提起をするのは、自然なんですよね。

 

だから店側は、「マスク付きでの食事となりますが、それでお客様の需要は満たされるでしょうか?サービスの質の低下はこちらも認識しておりますが、致し方ないため、できればうちの店のサービスにペイして頂けると助かります」

 

というコミュニケーションになるのが、「普通」だということです。

 

もちろん!

 

店側が「うちは客の需要なんかどうでもいーよ!こっちが出すサービスを満足して受けろよ!そんで金払っていけ!嫌なら帰れよ!」

 

っていう場合もあるし、それはそれで店の「自由」ですよ。

 

経営者はいくらでも居直る権利はあるし、バカ商売する権利ももちろんあります。

 

なので、店側は「客の需要に対して供給する責任」はないんです。

 

責任はないんですけど、普通の店なら、ちゃんと客を満足させてから対価を得ますので、

 

客側としては「あなたの店は普通ですか?それとも居直りバカですか?」という確認作業としての、

 

「クレーム」というのは、あって然るべきだと思います。

 

「ちょっと、これどうなってんですか?(これじゃペイできませんよ)」という問いかけですね。

 

それに対して、店側は、

 

「(満足させることができていないことに対して)申し訳ございません。ただ、○○の理由で、こうなっていますので、それでご理解を頂けないでしょうか?(このサービス水準で、ペイして頂けないでしょうか?)」

 

っていう・・・

 

のが私の普通なんですけど、

 

書いてて、これって普通じゃ無いのかもしれないと不安になってきました。

 

とりあえず、お店の人も人間なので、あんまり怒ることはないなぁと思います。

 

おわり