ヤフーニュースで、自民党案の控除額123万円では、国民民主党は満足できないので、交渉打ち切りも視野に入れている、との記事を読みました。
これに関しては、ちょっと違和感を感じます。
日本の場合、政治家は駒というか、「窓口」なので、
窓口担当者と、本気で綱引きをするのは、ちょっと違うかなと思いますね。
政党同士が、過半数与党が存在しない状況下で、お互いの都合を先鋭化させるのは、民主主義的な手続きとしてはまっとうでしょう。
ただ、日本はまっとうな(欧米的な)民主主義国ではないので(未だかつてそうであった歴史は存在しない)、
そのシステムに合った手続きをするべきだと思います。
具体的には「123万円」もしくは、もうちょっと粘って増額させた金額で、国民民主党は飲んだ方が良いと思います。
「いや、123万円の20万円アップじゃ、全然微増で足りないじゃないか」と思うかもしれませんが、
自民党(窓口)も、テキトーにやっているわけじゃないと思います。
控除額アップの合議の「会議室」の中の世界がすべてであれば、
「123万円で」
「いや全然足りない」
「じゃあ交渉決裂で」
ということは普通にありえるのですが、
この「123万円」という数字は、「総合的に判断」した結果の数字だと思うんですよね。
つまり、控除額の変更に伴う、「すべての影響」を考慮して、
123万円がひねり出されている。
おそらく、かなり譲歩もあっての、123万円だと個人的には思います。
冷静に判断してみると、
「キャスティングボートを握っている国民民主党の提案を」
「自民党が(一部)飲んで」
「控除額20万円の上昇を出してきた」
わけです。
この譲歩に対して、国民民主党側も、
「総合的判断」によって、ジャッジした方が良いと思います。
今まで、議席30人の小規模政党が、自民党と対等に交渉することなんてなかったはずです、
それが、今回の20万円アップを飲むことによって、新しいことが始まっているという判断もあって良いと思います。
今回、譲歩を引き出せたのならば、
このメソッドを-たった20万円アップしか引き出せないヨワヨワメソッドかもしれませんがー将来的にも使える目が生まれるんですよ。
その果実は、「よし」として、受けるべきだろうなと思います。
強い態度で、脅しをかけて、相手をコントロールするのは、やろうと思えばいつでもできるんですよ。
自民党から議席を奪って、また小規模政党が政局を左右する状況を作ること自体は、それほど難しいミッションじゃないし、また起こりうるでしょう。
そういう状況下において、
「控除額178万円ゲットしたぜ」と、
「所得税の控除額という局所的な小さい範囲の中の話において」「満額に近い、勝利を手にしたぞ!」
というのは、ちょっとズレている。
小さい範囲のマターであっても、総合的判断に沿った上で、実行しないと、
ただの「政策通しマシーン」になってしまい、
悪戯に国民の不満を吸収して増大し、
権力側から「じゃあそれっていらないね」というジャッジが下されて、
頓挫する、というシナリオはすでに見えています。
そうじゃなくて、
「自民党(窓口)が提示している、おそらくけっこう無理しているであろう譲歩案を」
「飲むことによって」
「(局所的ではなく)総合的な範囲における果実を手にする」
ことがベターだと思います。
という個人的感想でした。
飲んだ方がいいよ~。
おわり