経産大臣の西村さん

ヤフーニュースで、雑誌「女性自身」からの引用記事を見ました。タイトルは「『28階まで階段で上がる』西村経産相パワハラ的マニュアル生んだ恐怖の猛烈上司ぶり」となっていました。

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<記事の内容>

・西村大臣が出張する際、随行員が守るべき細かいマニュアルが存在する(→それだけ注文が多いということ。西村さんがマニュアル通りにやれと言っているわけではなく、リクエストが細かく厳しいので必要にかられて結果的にマニュアル文書が生まれた)

・過去にも1年間で秘書官3人が交代する事案が発生し、菅官房長官(当時)に注意を受けたことがあるが、あまり改善せず。度を超えた長時間労働があったらしい。

・官僚(旧通産省)出身の政治家で、経済政策や霞が関官庁の内情に理解が深く、とてもタフに働くという評判。

・大学時代はボクシング部に所属し、けっこう強かったらしい。現在も肉体トレーニングを継続している。トレーニングの時間が取れないときは議員宿舎の1階から28階まで階段で上がったりしている。

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私的には、パワハラ体質の人は嫌いです。パワハラする人って、野心が強くて、でもそれを満たすだけの能力が自分に無いことを知っていて、でも欲望に逆らうこともできないから夢を諦めなくて、コントロールできる人間関係で圧倒的に優位に立とうと無理をしている、って感じの人が多いからです。

 

欲望が先に立ってると、それが絶対的正義になってしまうんですよね。「部下の過重労働?お前らは自分が出世するためにいるんだからそのくらいやって当然だ」みたいな発想。

 

欲の正当化とは、欲望と現実のギャップを埋める行為の正当化ですから、それはつまり夢と現実の狭間で他人を轢き殺すことの正当化に繋がるわけです。

 

欲望を満たすことを正当化している人は、破壊的な行為だって平気でやります。これは私自身にも身に覚えがあります。

 

ただ、将来、総理大臣になるような人は、このくらい野心が強くないとなれないと思うので、西村経産大臣は、今59歳ということで、5年~10年後くらいに総理大臣になってる可能性は高いと思います。

 

安倍さんが銃撃されて亡くなった際も、西村さんはテキパキと動き、場の主導権を取りに行ったようなので、「総理になるための行動」をきっちりやろう、という意識があったんだと思います。

 

安倍さんが亡くなって、「自分に総理の座が回ってくるタイミングが予定より早まったな」と思っているかもしれません。違ってたら訂正します。

 

こういう人が最高権力者になること自体は、別にいいんですけど、その人にマッチした対応が現実的に実行できるのかどうかが問題ですね。

 

別に金正恩がトップでもいいんですよ。誰だっていいかもしれない。ただ、その駒を活かすような対応が下の人間ができるかどうかという点で言うと、「無理だね」という現象は起こりえるし、その意味で「その人はトップに向いてない」という結論が出るケースはあると思います。

 

西村さんへの注文としては、総理になるのはいいんですけど、自分に欠けているところがあるということを素直に認めて、それを部下に補ってもらおうという歩み寄りをしてほしいんですよね。

 

必要なのは、スーパーパワー総理大臣一人ではなく、総理大臣とそれ以外のスタッフすべて含めた大きな「からくり」全体のパフォーマンスを上げることです。

 

それを考えると、自己分析で何が足りてないかの情報と、部下が何ができるのか、何ができないのか、そのできないことのうち何をできるようにするのか、の情報を特定することが重要です。

 

イエール大学の成田さんが「政治家はネコになる」と書籍に書いてありましたが、ネコ・・・ネコはさすがにきつい(部下への能力的要求が大きくなる)けど、ネコみたいなおじさん、猫ひろしとかでも政治家になってもいいから、システムが回るように歩み寄りして、工夫するというのは人類進化の過程で必ず通る道です。

 

実際には歩み寄りじゃなくて、ルールによる矯正を喰らわせるという感じが正解だと思うんですが、それは結果優先主義的で、好きではありません。

 

過程を大事にするならば、歩み寄りソフトパワーの可能性を追求したいです。