刑法を読んでみようのコーナーその6です。
刑法「総則」の第7章「犯罪の不成立及び刑の減免」を取り上げています。
■責任年齢
刑41条
14歳に満たない者の行為は、罰しない。
これは有名な「少年法」とは別のものです。
少年法とは、少年(=20歳未満の男 or 女)による犯罪があった場合、成人とは異なる特別な処遇をすることを規定した法律です。
少年法の概要・・・
・少年による犯罪は、地方裁判所ではなく、家庭裁判所によって審判される。
・審判の結果により、お咎めなし or 保護観察 or 児童自立支援施設や少年院送り or 検察官逆送致となる。
※刑法41条(今回のテーマ)において、14歳未満は刑事責任なしとされるため、彼らは成人と同等の扱いをする「検察官逆送」の対象にはなりません。
・少年犯罪の場合、「顔写真・名前などで本人を特定できるような報道は控えるべき」という努力義務規定(違反しても罰則なし)がある。
刑法41条の責任年齢、そして少年法に共通するのは、
「成人に満たない者に対しては、刑罰を与えるのではなく、本人の更生の可能性を信じて、保護・教育を施すべきだ」という考え方です。
顔写真や名前などの報道を縛っているのも、本人が更生した場合の不都合を考慮したものです。
世の中で少年による凶悪事件が起こるたびに、この少年法の是非が世論において問われていますね。
少年法が必要かどうかと言えば必要なのだと思いますが、問題は、この法律によって少年犯罪の抑止が達成されないということです。
世論は少年による犯罪が起きないようにすることを期待しているのに、少年法は「すでに起きてしまった犯罪」に対するケアを主目的としています。
このずれを埋める特効薬のようなものは、今現在存在しないということです。
少年法への批判は、実は「犯罪行為全般への批判」という要素があると思います。
少年法という「柔らかい部分」に対して、「犯罪を憎む心」の圧力がかかっている構図です。
「少年の更生を進める仕組み(少年法)」+「少年犯罪抑止の策」がないと、世間は納得しないでしょう。
少年犯罪ついて私の思う所を述べると・・・
まず犯罪の原因となる要素は「内的要因(人格)」と「外的要因」に分けられて、
女性なら10~12歳、男性なら13~15歳で人格は固まると思っています。
(※これは専門家はウソだと言うと思います。あくまで私のもってる印象です)
犯罪を起こしやすい人格というのは確実に存在していて、人格面においては、少年であっても更生不可能なケースは有り得ると思います。
ただ少年の場合、大人と比べて外的要因による影響が大きく出ると思います。
少年法の考え方の通り、外的要因を改善することができれば、成人の犯罪者よりも更生する可能性は高いと考えます。
少年犯罪を評価するに当たっては、それが「人格由来なのか」「外的要因由来なのか」の見極めが非常に重要なのではないでしょうか。
これが家庭裁判所の裁判官にできるかどうかが疑問です。
犯罪心理学の専門家を入れる必要があるのではないか、と思うのです。
調べてみると、この辺について仕事をしている人に
「家庭裁判所調査官」というものがあるとわかりました。
彼らの仕事は、犯罪を犯した少年の「人間関係や環境」を調査して、裁判官に情報を提供するというものです。
ということは、情報を元にジャッジするのはあくまで裁判官ということです。
裁判官に犯罪を犯した少年の人格を把握することはできるんでしょうか?
ちょっと難しいんじゃないか、という感じですね。
犯罪を犯しやすい人格の特徴をデータベース化して、機械的にマッチングするという手法なら可能ではないかと思います。
プロファイリングの手法と同じようなイメージです。
脳にある1センチの傷のせいで、大量殺人者になるケースもあります。
犯罪を犯しやすい人格~固まった人格~を確実に社会から弾いていくシステムがあればいいなぁと思います。